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Mariotトークセッション

近田
すごくおもしろかったです。
山中さんの仕事の中で、光の基本的なところを押さえてあるところがすごく分かり易く伺えました。殊に私も積水ハウスとか、昔でいえばプレハブという工業化住宅の照明は幾つか手がけたことがあるんですけれども、あの照明はめちゃめちゃうまいですね
(笑)
...というのは、工業化住宅というのは意外と天井の中にいろいろブレースが入っているんです。たくさんブレースが入っているところをかいくぐらないと天井に照明はつけにくい。そこを逆に、照明としての利点を低くすることで居心地よい光にして、なおかつ天井ブレースはあまりいじらないという、すごくうまいですよね。

山中
そうですね。ただ気をつけなければいけないのは、間接照明は面を光がなめるじゃないですか。だから、職人さんの腕がね...

そう。フリクが見えちゃうんですね。

そうなんです。

ベロベロになりますよね。

そうなんです。下地が全部出ちゃうとかね。
だから、間接照明が入ると職人さんに言っておいたら、かなりパテでしごく段階できれいにしていただけるんですけれども、言わないででき上がったらもうとんでもない、こんな家だれが買うのみたいな家になっちゃうので、その辺はできるだけ気をつけるようにしています。
だから、あんまりそこらじゅうに間接照明を入れずに、拡散のスタンドとかブラケットを多く使うようにしています。

あと、ご経歴の中で、高齢者向けの会の役員をされていらっしゃるんですね。

はい。役員じゃないですけれども、アドバイザーを。長寿社会文化協会です。
この話はしてもいいかどうか、ちょっと違和感を覚える方がいるかもしれませんが、もう12〜13年前に長寿社会文化協会ができたときに、体が悪くなって動けないとか、車いすの方じゃなくて、健康なお年寄りが世の中にいっぱいいるでしょうと。その人たちのために文化をつくろうといろいろ考えて、一番ケ瀬康子教授が理事長で進めています。

千葉県の「百寿苑
(ひゃくじゅそう)」という老健施設で....1階70名ほど、2階50名ほどという、かなり大きな養老院があります。
僕は持論があったので、電球色蛍光灯は朝まず起きて顔を洗うところについていて、顔が赤く見えたら絶対に元気にならないかなと実験させていただいて、2階の洗面所の照明だけ電球色蛍光灯に変えたのです。
そうしたら1カ月後に、2階のおじいちゃん、おばあちゃんがみんな元気なのです。談話室でワーワーしゃべっているのです。1階のおじいちゃん、おばあちゃんは、みんなうつむいて黙ってテレビを見ているのです。

それはすごくおもしろい話だと思うんですが、顔色がよく見えるということは、自分が若々しくなったように思うわけですよね。

そうなんですよね。だから、さっきのストリップのステージがありましたよね。それも実は同じような話がありまして、アメリカのほうでは高齢者に対してどうやっていくかということの中に、恋愛をさせましょうと。

でも、最近は高齢者福祉施設内での恋愛事件が結構新聞にも出ていますよね。

そうなんですよね。町田ひろ子さんというインテリアコーディネーターの方がいて、彼女と結構仕事をするんですけど、以前、町田さんの提案で広島のある施設をやったときに、談話室をホテルのロビーみたいにつくったら、多分おばあちゃんはパジャマで出てこないよって。
そのとおりにホテルのロビー風にすごく暗めにして、シャンデリアをつけて、意匠系のブラケットをつけて、すごく豪華な談話室をつくったら、おばあちゃんたちがみんな着替えて出てくるんです。
おばあちゃんが着替えて出てくると、おじいちゃんもちゃんとシャツに着がえて出てくるんです。
介護する方に言わせれば、朝起きて着がえるというだけでもリハビリになるらしいです。だから、色気をうまく使うといいなみたいな(笑)


全く私も同じことを考えました。
何か欲望があることが生きることにつながるのだろうと思うんですね。
だれか気に入った人がいたら、その人にアピールしようという、そういうことも一つの欲望につないで、自分が生きる次の日の元気になりますよね。
光の色というか、蛍光灯電球色だけを取り上げてもそうなるというのはすごいですよね。


そうですね。僕も逆に質問なんですけれども、さっきの桜坂、あれはタイムリーに動くんですか。

そうです。

風が吹いたらスッと。

そうなんです。ところが、なかなか風が吹かないんです。せっかく自慢するために人を連れていっても、そのときに風が吹いてくれないとそうならないんです。

そうか。手で回してもだめですものね。

そうなんですよ。

僕もLEDを最近はよく使いますけれども、言われてみれば、動きというかインタラクティブ、光と対話するというのがこれからキーワードですね。

私は照明を長く手がけていながら、どうして電気というエネルギーが入ると明るくつくというのがいまだにわからないんです。
いくら理屈で言われても、何でエネルギーが入るとつくのというのがわからない人なんです。
それを風力発電で、風が吹いた途端に光が変わることで電気の力が目に見える、エネルギーが電気に変わり、それが光に変わるという、その三つがようやく結びついて、私は理解できるようになったんです。


じゃあ、近田さんのためにもよかったですね、あれは。


本当にそうなんです。今まで風力発電というのは、弱いから何W発電しましたというサイン、文字に使われるだけなんですね。

メーターがついていましたね。


だから、ちっともそれが役立っていなかったんです。

そうですね。でも、たしかシドニーオリンピックのときのメイン会場はソーラーと風力のハイブリッドというタイプだけで、あのメーンスタジアムの照明をとっていた。
だから、日本は結構ハードが進んでいるのに、それを現地に落とすソフトがおくれているんですかね。まだまだ少ないですもんね。
ヨーロッパに行ったら、LEDが演出的ではなくて普通の施設の主照明に使っているところも出始めていますよね。

さっきの山中さんの例でシャネルの、顔を照らすLEDですが、今のLEDは演色性が悪いというふうに私は聞いているんです。

そうですね。


ものの色を本当に近く見せるかどうかという、そういうことを演色性と言っているわけですが、実際にいま日本で使っているLEDで肌の色とかが本当に近く見えているかどうかは疑問だと思うんです。
さっき高齢者福祉施設で赤く見えることで元気が出たと同じような効果かなとは思うんです。

あれをよく見ると4色のLEDが入っていて、本当にフルカラーがつくれる。要するに、色の光の波長だけ全部合わせちゃう。だから、演色評価数でいくと低いですよ。


演色評価数じゃないですね、あれ。

低いけれども、色の見え方としたらつくれるんです。


そうですよね。だから、本当の日本人の肌の色だと少し黄ばんでいるのを、ちょっとピンク色っぽく見せるとすごく透明感のある肌に見える、そういう理屈かもしれないですね。

多分そうですね。ただ、シャネルさんのあのブースがすごく人気で...


だから美人に見えるんですよ、きっと。

美人に見えるらしいですね。


さっきの高齢者福祉施設でも例として挙げられましたが、私も鏡前照明というのはすごく大事な点だと思うんですね。
つまり、うぬぼれ鏡にすべきだと思うんです。
自分が美人だと思えば自信がつくし、自分が健康に見えれば自信がつく。うぬぼれて自分の行動にそれが出れば、生活が楽しめていいんじゃないのと思いました。

そうですよね。あともう一個、高橋建設さんの、地下にある社屋ですが、あれは常に洞窟の中にいるような感じなんですか?


開口部が南北にまずおまんじゅうの2面を切られているのと、それから、ところどころにトップライトがあけられていますから、自然光は入ります。

それじゃあ、そんなに洞窟の中にいる、みたいな感じではない。


全然洞窟じゃないです。

あともう一個、赤いペンダントが駄目になった。一番の理由は何だったんですか。


そうですね、赤は下品だと思われたらしいです。
ちょっと扇情的過ぎるという理由のようです。

以前、僕は同じような赤のガラスで透けて光が出るやつをおばあちゃんの部屋につけたら、結構本人にはウケたんです。
けれども、ご主人と息子さんにやめてくれと、同じことを言われたんです。それでちょっと控えました。
もう年がいっているのだから赤い光を見せたら興奮しちゃって血圧が上がると言うんですよ。


そうなんです。割と変な先入観がありますよね。

そうですよね。年がいけばいくほど目が黄色くなっていくから、暖色系のピンクとか茶色などはすごくきれいに見えますしね。


人間を一番研究しているアメリカのNASAは、火星とか木星に地球人のどの人種を送ったら一番長生きするかみたいなことを実験しているといううわさがあるんです。
NASAのトーマス博士が書いた本の中にあるのですが、色を見た瞬間、筋肉が緩むか緊張するかのデータをずっと見ていたら、世界中のあらゆる人種の筋肉が緩むのがパステルカラー、それとアースカラーというか、ガイアの色といいますか、大地の自然の色です。

さらに細かく書いていまして、日本人の一番筋肉が緩む色が、漆喰の白に白熱の光を当てたベージュ色と書いてあったんです。
そのときに検電器を筋肉に刺していると平常値に戻るんですって。
やはり白熱の赤い光、電球色蛍光灯は少し色が違うじゃないですか。


違うんですね。少しピンク色っぽいような、光が濁っていますよね。

黄色が入っているみたいな感じで。
だから、そういうデータがあったので、最近はできるだけ電球に近い色の電球色蛍光灯、もしくは許されれば電球を使うようにしています。
そのかわり電力量が上がるので、今日ちょっと見ていただいたように、均一に光らさない。


電球色の蛍光灯でもメーカーによって色が少し違うじゃないですか。

そうなんですよね。


ちょっと伺いたいんですけれども、山中さんはどこのメーカーの蛍光灯を使っていますか?

もし松下さんとか東芝さんがいたら申しわけないんですけれども、三菱電機の2700ケルビンという電球色蛍光灯があるんです。
これは電球と並べてつけても遜色ないです。


一般的に電球色蛍光灯は3000K(ケルビン)とか2850K(ケルビン)が多いんです。専門的な数値を言いましたけれども、要するに電球まで赤くないんですね。
以前僕もよくクレームを起こしましたけれども、廊下に白熱ランプのダウンライトを入れますでしょう。
それでリビングダイニングに電球色蛍光灯を入れたときに、普通の電球色蛍光灯を入れちゃうと3000K(ケルビン)ぐらいなので、明らかに2700K(ケルビン)と3000K(ケルビン)では300K(ケルビン)の差があるので、廊下の赤い光を見てからパッと入ると、「なんだ、電球色蛍光灯を入れてくれなかった」と言われちゃうんです。


昔、電球色蛍光灯が出始めのころに、事務所の蛍光灯を各メーカーのものに全部入れかえたんです。そうやって見てみるとちょっとずつ違うんですよね

そうです。ちょっとずつ違うでしょう、ピンク色だったり。
蛍光灯のダウンライトとか埋め込みの器具を電球色に変えるとかというときは、できるだけ三菱さんの2700 K(ケルビン)を指定で発注すると、電球と見比べても遜色ない。その辺はすごく注意するんです。
でも今、ランプが多いからわからないでしょう。


わからないし、そうやって一生懸命指定しましても、それがメンテナンスでどれだけちゃんとキープできているかというのはちょっと難しいところですけれどもね。

そうですよね。
今回、事前に皆さんにアンケートをとった中の半分までは行きませんけれども、4割はLEDの今後とか、LEDの照明効果とはとか、LED照明の効果的な使い方とかをいただきました。

もう時間がないので最後になりますけれども、LEDは今後どうなっていくと思われますか?