HOMEトークセッション>MARIOT EVENT 2004 Autumn:TOKYO P.1/2/3/4/5/6
Mariotトークセッション

隈:
面出さんがイスラムの光の話をされていたのが面白かった。
イスラムの光って粒子ですよって言ってなかったっけ。

面出:
そうですね。イスラムの光というのは、どこに光源があるのではなくて非常に粒子化した攪拌(カクハン)されたもので、モスクの中でコーランの音がどっちからくるんだっていう、もの凄くシェイクされているというか...


僕が粒子の光っていう時は、いつもイスラムの光の事が頭にありますね。
さらにその元はアフリカ旅行している時に、夜、原さんといろんな話をするのよね。
「先生、一番好きな建物ってなんですか」って皆で聞く訳ね。
そしたら、ある夜は「ハギアソフィアが一番好きだな」って。
ハギアソフィアって行ったことあります?イスラムの大寺院ですよね。
その時僕、ハギアソフィアって見た事なくって、原さんが一番良いっていうのは何かなって...ハギアソフィアの光って小さなところから、わぁ〜っと光がやってくるってイメージじゃないですか。造形よりも一番光が印象に残ってますね。

それから「近代建築で何が一番好き」って言ったときに、ライトのジョンソンワックスが良いって。ジョンソンワックスって、結局はほとんど光のデザインをしているようなものですよね。

そうですね。光でできている建築って感じですよね。

その頃、原さんが直感的にいくつか言っていた言葉が、どうもモノじゃなくて光が建築の主役になるっていうような事を言っていたような気がするんです。

隈さんが最近書いているものでも、建築っていうのは今や形ではないんだと。
もう少し形から離れたモノすなわち気配だとか、そういう事を言われているんだと思うのだけど。
だけど実際に作品を見ていると、きれいな形があり、ルーバーっていうのはすごくきれいに光を通して、そこに視覚的に入ってくるものっていうのは当然建築の中で大切ですよね。


形って言うのはきれいと言えばきれいだけど、逆に気にならない。
要するに形が気になってきちゃうと、妙にきれいにデザインされていて気になってきちゃうと、光も何も全部ディスターブしちゃって、わずかな線のズレみたいなので、人間は光を感じるどころじゃなくなってしまうと思う。
光を感じられる状態っていうのはかなり邪魔物がない状態だと思うんですよ。
邪魔物を消すためには形をどうコントロールしていったら良いかっていう事を考えながらやるんですよね。

ありがとうございます。
僕が隈さん以上に元気だとは思っていないけれど、僕の元気の秘訣みたいのを一つだけ。
なぜ僕がこうやって体も壊さず元気にやっていられるんだろうと考えたんですよね。
僕は隈さんみたいに天性的に才能のある人間ではないと自分で思っていて、海外に出ても何しても辛い目にも遭うんですけど、だけど辛い目に遭ったときに「あ、これは今学習しているんだ」って思えるんです。
辛い目に遭ったり、自分が今まで体験したことのない痛さを感じると「あ、これは学習しているんだ」って。
この学習していくのが、結構元気の素なんじゃないかなって気がするんですけどね。


建築って仕事やっていると、そういう事って多いよね。
そして必ずいろんな人と付き合う。
いろんな人ってのは、クライアントって発注する人が必ずいるし、現場で作る職人さんもいる。
しかし、いろんな人と付き合うっていうのは、必ずそこである闘争的な関係は生まれる。どうしてこんな事になっているんだろうって事はありますよね。

やんなければ良かったって思うときもあるんですか?

いや、やんなければ良かったって思うことはないけれど。
まぁ、この仕事もいつかは終わるだろうなって
(笑)

時間がきちゃったので、そろそろ...どうもありがとうございました。



飯島(JCD理事長):
皆さん、こんばんは。理事長と言っても私、五月からの新米理事長で、理事長としての挨拶は今日が初めてなんです。
今日、面出さんと隈さんの話を聞いておりまして、少し感慨深いものがあったので、お話します。

先程、1986年ですか、隈さんがNYから帰ってこられて、面出さんと会ったりとかっていう時にですね、私は自分の事務所をはじめてまもない1年目の時だったんですけれども、面出さんから呼ばれました。
何の話かなって思ったら、雑談会なんだよという風に言われまして、ヤマギワの研究所に行ったんですが、その時に隈さんがいらしたんですね。
まぁ、その時に話した内容は30年近く前ですから忘れてしまいましたけれども、今日のお二人の話を聞いてましたらですね、この30年が隈さんは建築家として、面出さんは照明のプランナーとして作ってきたものと、それから日本がこれだけ外にですね、照明の仕事あるいは建築の仕事で、国内だけではなく国外にも波及できるようになった、そういう30年の時間の推移を私事で恐縮なんですが、感慨深かったです。

「COOL JAPAN」というテーマで、私も主催者のかたわれのひとりとして、企画に関与させていただいたんですけれども、正直言ってあまりよくわからないタイトルなんですが、しいて言いますと、この30年間の時間が作り上げた、日本の建築・デザイン、隈さんの場合は若干、我どもインテリアデザイナーのお株をとるくらいのディティールの懲り方だとか、大変興味深く思いますけれども。
そういう事を総称して「COOL」と、アメリカでは「かっこいい」という風に単刀直入に言っていいと思いますけれども、そういう良い意味での「かっこよさ」を作ってきたんだろうという意味で「COOL JAPAN」と理解していただければと思います。




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