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Mariotトークセッション

小嶋:
面出さんという人が照明の話にやってくると、「いや、そこはそんな簡単なことではないんだ、こうなんだ」という所から始めてくる。
言っている事が的を得ていると、その方が良くなると思うと、その話を聞かないと馬鹿だと建築家は思うんですよね。
すごくロジカルに組み立てられている。
光は専門家がいるから必要な時は専門家と組んだ方がいいと思っていますが、例えば音だったり、空気の環境だったり、全部同じようにデジタルデータにして、それがちゃんとモノの良さにフィードバックされるようになっているという実感がある。
その時に光だと思って見てたら、光ではないんですよね。
視野角の解析から入っている。
僕らは環境エンジニアではないけれど、例えばCFDって空気の流れの解析を学生に教え込んでハノイのプロジェクトなんかやっている。
もちろん専門家もいるけど、伝えきれないですよね。
でもそれと同じ事を面出さんは、まず建築家を説得するためにそこからやっているということがおもしろかった。


面出:
そうですね。思い当たる事があると言えば、例えばポール・アンドリューが僕達のような視点を持ち得たかと言うと、「こっからこう来て、まずこの天井を見るだろう」と。「この天井は欠かせない」とか。「こっちは奥に誘われるべきなんだけれど、あそこは昼間真っ暗に見えちゃうと、誰も行かないよね」とか。「だから僕はここのところに光を足したいんだ」とかって言うとね、明らかに相手の目が変わるというか。


分かりますよ、そういう瞬間。

分かりますか。楽しいですね。やったなって思う。
この人の頭の中に入れたかなと思うし、そういう事の積み重ねを二つ三つとやっていくと、相手が僕をすごく有能なことを言う奴だと認めてくれる瞬間がある。


実際に今のああいう空間っていうのは建築家が作っているなんて単純には言えなくて。建築家が作ったって言い切ろうとするスタンスの人がやっているやつって、ダメになっちゃう。
そうですね。
でも僕のお見せしたのは大きすぎてというかね。もう少し小さなレストランとかのほうが実感として皆さんに分かりやすいと思う。
大きい空間がどういうふうに出来るかって言うのは、まだまだ僕も予断を許さないし、出来上がってみて辱めを受けないように、くらいにしか思っていないのだけれど。難しいですよ。


見せてもらって、説得力あるなって思いました。
僕自身で言うとあのカタールの黄色のやつ、現場で実際の壁から外側のパネルまでは面面(つらつら)で1m離しているんですね。
1mって言うのは1/30の部分模型で決めた寸法で、ところが光で色をつけて反射するって言うのは距離の問題だから1/30と1/1は違うんです。
そんなところ現場でやらないと決まらないんだけど、絶対に変更させてくれないので、パネルをつけて、つけた状態を見るまでは壮大な作業をやっているんじゃないかと。黄色くならない可能性もあった。


なるほどね。

何回言ってもそこのアジャストをさせてくれない。
東京の光で反射実験をしても全然分からない。
実際には板に黄色いペンキ塗って、仕方がないから外に持っていっていろいろやっているんですけれど、光線の強さが違うので、結局のところ読めない。


今日はお見せできなかったけれど、ポール・アンドリューもものすごいおびただしい数の素材をあそこに持ってきて、光を当てたりデイライトを当てたりしていました。そういう事の繰り返しですね。