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Mariotトークセッション

面出:
あまりのんびりしていられないので、次はCCTV。
このモニュメンタルな建物が、オランダのレム・コールハウスによって設計されたものです。
これを依頼されるようになってから、私達のスタッフが毎月5、6人ロッテルダムで打ち合わせをしました。
「ロッテルダムに来い!」って言うんですよ。
非常に彫刻的なフォルムで、しかも設備はオブ・アラップというところがやっていますが、構造的にも特異な事をしています。
NHKのような放送設備が全て入って、しかもいろいろなオフィスが全部入って、その裏にはホテルが入って、劇場が入ってという、中国政府が国の威厳をかけて「中国だ!」って胸を張れる面構えを選んだんでしょうね。
ダイヤグリッドっていう、スーパーストラクチャが被覆してくるわけです。
それは建築的な特徴でもありますし、それをどういうふうにして、光で昼間の表情と夜の表情を作っていくかという事は、外観に関わる問題でもありますし、中の一つ一つのオフィスが、どれだけリーズナブルに、エネルギーを削減できるんだって事も、テーマである。
しかしレム・コールハウスという人も、非常にクールな人で、中国人相手に全てに対して光で勝利しようとすると難しいので、勝負挑むところは限定しよう、後の部分は非常にジェネリックに一般的にちゃんと理解できるようなことでいこうと。
彼らはおびただしい数の模型を作って、検討しながら、中国のクライアント相手に説得しています。
だけども尚且つこのOMAというのはものすごく若い組織で、現場の経験がまだ少ない人が多いので、そういう事にドキドキしながら、でも勢い良くやっています。
やっと今着工になって、今度は上海に本家を持つエカディという中国人の設計チームに具体的に指示しながら渡していくという段階です。
私たちはすごく沢山のプレゼンテーションをやるんですけど、これは分かりやすく外観ということについて僕達が描いた絵ですね。

この絵は、夕方から段々薄暮が迫ってくるとこうなる、そんな風にして彫刻的な建物が光によって変化していくんだぞという事を分かりやすく示したものです。
そして当然ガラスの建物というのは、そういうものを映し出していく。
これはペアガラスの中にエキスパンドレルメタルがサンドイッチされたものです。
非常に特殊なもので、少しルーバーのような効果もあるのですが、外の景色を昼間は映し出し、それが段々夕方になってくると映し出すだけでなくて、今度は中の光が勝ってくる。
その時にダイヤグリッドというものが、シルエットのようにすっと黒く見えてくるだろうと。ダイヤグリッドが黒く見えてくるという非常に構造が集積したようなものを出しながら、下からアップライトして、それがもっと暮れていくと、中の光が消えていくと、「ピキピキピキッ」って音がするくらいダイヤグリッドが点いてくるという。そういうダイナミックさをだしたいと思っています。
また、中国の方ですから、何か色を使ってくれと、いろんな要求もあるだろうというので、少しは用意しようと思いますが、あまり下品になっちゃいかんと思っています。

こちらの建物とこちらの建物は別棟なんですけれど、異母兄弟みたいな話で、全く異質な性質を持ったものです。
でも光としては兄弟なんだ、ファミリーなんだという事を、ここでは意識させる。
沢山提案しているので、この通りになる部分、ならない部分とあるのですが、こんなお金もないとかいろいろ言われるかもしれないですが、これからの調整ごとです。
私たちのストラテジーとしては設計料の10%くらいを最後にすると良いんですけど、それが少し多くなると、辛いですよね。

小嶋:
竣工してから一年くらいかからないと竣工費って払ってくれなかったりする(笑)

中国の方って私たちの10倍くらいお金に、ビジネスということに関しては長けていますね。ですから私も段々学習はしています。

これはオフィスの中の光が非常に大切だと説明しています。
ミース・ファンデルローエがやっているような、非常にきれいな光天井を、作らなければこういう美しい外観は成り立たないよと。
いろいろ模型を作り、中に入ってくるいろんなオフィスのタイプに別れて、このシステム的なルミナンスシーリングがいろいろ変化するんだということを説得しています。
いろいろな設備がそれに対して対応するのだと。これはOMAとオブ・アラップと我々の共同の統一戦線をはってこういうことを説明しています。
オフィスのタイプに従って、これだけ大きな面積ですから、どういう天井の素材が取り付くのか、役員階に付くのと、一般の所に付くのと違うだろう、そのマテリアルはどういうものなのか、とかいう事を説明。
OMAはこういう絵を書くんですよ。
それで、「面出さんこうしてくれよ」って言ってくるんですけど、こうはなかなかならないですよね。
ただ、この気持ちを伝えて、出来るだけ説得して私たちはこのシステムの中でどれくらいの照度を確保して、こういうふうになります、という事を、我々も技術的なことを裏づけを取りながら、フレキシブルな照度設定ができることとかを解析しています。

これはもう一つのうしろのTVCCというホテルと劇場が入る所です。
こちらは全然テレビ局の施設と違って、いろいろな文化施設やホテルが入ります。
カッパドキアのようなホテルの客室がいっぱいきてる。
OMAというのは際限なくラディカルなことだけを主張する人がたくさんいます。
これは外構ですね。
ですから光というのは、建築の持っているすごく研ぎ澄まされたものを、もっと象徴してラディカルに時代の最先端を表現する事にもなるんです。
現実的にはそこで沢山の人が何十年と生活していく場所でもあるので、そういうことを担保しながら全体をどう作っていくかという事になる訳です。

...ということで、途中でも小嶋さんとはいろいろなお話を重ねながら話してきましたが、少しお互いの欠けているところを質問したりしながらやっていきたいと思います。

でも、二つのプロジェクトだけ見せていただいても、すごい違う進路でやられていておもしろかった。特に建築家の僕達にとってはプロジェクトとしてすでに有名なものですよね。
でも面出さんが語る語り口だと、全然違って現れてくる。それがすごい新鮮でした。

そうですかね!建築家が建築を語るのに、僕が参加して違う語り方すると違う音が聞こえる?

もちろん本人から聞いたわけでなくて、メディアに出ているものから聞くわけですが、例えばポール・アンドリューのってどうしても大雑把に見えちゃう部分が雑誌から見てもある。ところがあの天井、すごい巨大な空間の中に三つ建物が建っているようなものですよね。そうすると確かに人間がどこからどう見えるのかっていう事を、普通は建築家が考えているはずなんだけれど、あの場合だとそこからもう一回捉え直してる。普通だと巨大なドームというのは均質に照らすかってなるわけですが、そこのストラテジーを全く変えてしまっているわけですよね。

建築家っていうのは沢山の事を同時多発的に起こる問題を頭の中のパズルで解かなければいけない。

人によって違うんでしょうし、特にレムは違うんでしょうけれど。出来るだけいろんな問題を簡単にしちゃいたいわけですよね。

そうそうそう...