| HOME>トークセッション>MARIOT EVENT 2004 Autumn P.1/2/3/4/5/6/7/8 |
![]() 小嶋: 日本の小さい仕事もいくつか持ってきました。 これは大阪の枚方に作った住宅です。 僕は大阪出身で、これは実は両親の家なんです。長さが30mある。 住宅とは言っても、住宅のプランではないものを作っています。 別にグループホームになっても良いし、幼稚園になっても良いしという風に、自分が面倒見ないでも、誰かが居着いてくれて、なんか社会ができているようなことがコンセプトです。 30mの道みたいな空間で、奥にどんどん入っていくと。奥から見返したところです。 倉庫だのなんだの要するにごちゃごちゃしたものが右側の壁に全部入っている。閉めるとこっちはギャラリーみたいに全部白の空間になります。 この裏側はずっと繋がっているので一周できます。 でも今は歩き抜けるのに相当エネルギーの要るものがつまっています。 もう一つこれも学園都市線の津田駅の近くで造った100平方mくらいの獣医科です。 鉄板の6mmの板だけで全部構造をもたせています。 海外の仕事をやるようになって、いかに細かいことをハンドルするのが大変かということを痛感するようになってから、日本はすごい幸せな面があるなと...例えばこんな構造、世界中のどこで頼んだって鉄工所では作ってくれないと思います。鉄工所で作ったやつがそのまま仕上げになっていってるようなものです。 獣医なんですけど何にでもなるような、要するに棚がたくさんあるのが使えるようなものであれば、何にでもなります。 獣医ってあまり建築家がやっている事例もないし、例えばこれは本屋さんのセッティングにして事務所の本を持っていって撮った写真です。 これをイタリアの雑誌か何かに載せて、お金持ちからライブラリー作ってくれとか頼まれないかなと思ってます(笑)。 一応、診察室とか治療室は照度だけはちゃんととらなきゃいけなくて、それが一番苦労しました。 どうやったらいいかと。ピッチがばらばらなのは、下の機能によって明るくしなきゃいけない所があるからです。 ![]() 最近出来た、群馬県に造ったミュージアムつきの個人住宅。 これも日本離れしたというか、1km四方から、どこからでも見えるような建物です。 これは風景画家のご主人が三階くらいの床が欲しいと言ったのでこんな二階のない家になっちゃった。 下が個人のミュージアムですから、リビングスペースが同じフロアにないと、お客さんが来た時にいちいち降りていかなきゃいけない。 割とまともなことを打ち合わせていったのですが、そこはやっぱりアーティストなんで派手なほうが良いとなって、ローコストなのにこんな形にしたので作るのはすごい大変だった。 ラーチ合板の上に透明なFRP防水を塗りこめて、全部防水で塗りこめてあるから大丈夫だって言い張っていたんですけど、そう単純にいかなくて。今年は台風に襲われまくって結構メンテナンスに行っていました(笑)。 上に家族3人の寝室があって、風景を見られます。 下は半ばパブリックです。 ここは今スモークのフィルムを貼っていますけど、ゲストルームって呼んでいる小さい和室で、これが下のギャラリーに光を落とす光の箱になっています。だからここはスリになっているのが正しい状態です。 階段室です。美術書を沢山お持ちなので、どこに収納するかとなり、階段に入れるのが一番いいということでできたんです。 似ているんですけど、ワンショットだけ。 中国の天津でやっぱり山本さんたちと作ったものです。 まだ実施設計やっている最中なのに、現場が勝手にモックアップを作っちゃいました。 だから柱が倍の太さになっていたりとか、全然違う。 次に行ったら全部紫に塗られていました。 別の開発区の同じデベロッパーの模型とか並べて、商談やるためのショールームにするのにちょうど良いって言うので、文句言ったらもう一個作ってくれているんだけど、それもなんか言うこと聞かないで作っている。著作権の侵害になっちゃうような、中国は行くと事件だらけです。 ![]() 最後のプロジェクトです。 まだ本当に進行中で、中央アジアに、これも磯崎さんに声をかけていただいて、ユニバーシーオブセントラルアジアという大学の計画に参加しています。 シルクロードファンの人にとってはたまらないところです。 山が両側にあって、川が流れた谷のこの辺が僕達の敷地です。 谷の部分が標高2000mくらいあって、こういう風景です。 見に行って、すごい所だと感動して、同時に鉄とガラスの建築なんか作ったって何の説得力もないと感じるようなところです。 一体どうするんだろうと。この広いところが200mくらいあって断崖絶壁で、こっちの山は何千m級ってやつで、一番向こうに見えているのが7,800m。 山の色が全部違います。 雲母でできた山とか、鉄鉱石の山とか、山ごとに鉱物の組成が違うんです。 ところがこういう地形というのは、後から言われれば確かにそうだと思うんですけれど、断層だったり、ジオハザードがいっぱい起こるところで、この広々したところは基本的には建築禁止で、この辺のわずかな隙間しか建てちゃいけないと言われる。 ま、こんな風景です。 8万平米くらいの全寮制の建物を考えるのに、いろんな機能があるんですけど、冬すごい寒いので、全部繋いでおかないといけない。よって機能を全部一本の帯にして、それを相互に近接性が必要なものを折りたたんでいきました。 そうするとこういうループが出来て、これがそのままプランになるような作り方です。 ここの部分は記号みたいなものですけど、ドミトリーが全部入っています。 先生のドミトリーとかスタッフのドミトリーとかプリパレーションスクール、英語教育なので予備課程の子のドミトリーから社会人教育まで、いろいろ入っています。 このブルーのところがアカデミーと言っている教育機能で、オレンジがスチューデントライフって言っている、例えば食堂だったり、いろんな物が入っています。 ちっちゃな街みたいのが出来ている。修道院みたいなものですね。 ここから首都まで行こうとすると車で4時間半くらいかかって、標高3,000mの峠を越えていかなければならない。 僕らが敷地に行こうとしてもそれしか行き方がない、世の中にはとんでもない仕事があるんだなと思いました。 夏は木陰にさえいればものすごく湿度が低いので快適なんで、サマーガーデンとかサマーキャンパスみたいなイメージで、夏になったら外で授業やればいい、だから冷房を一切使わないということをコンセプトにしようかということになっています。 だから熱環境の問題とか、地震は日本と同じくらい厳しい地震が来るんですけれど、それを土と石と最小限の鉄を使いながらどうやって耐震性をだすかとか、普段は全然考えられないようなテーマを考えられるのがおもしろいです。 ![]() これが最後のスライドです。 全景としてランドアートみたいに、全部土に埋め込みました。土のかぶり厚さが熱を保持するとか、木もすごく増やして、この連続体の中に、一つの街にずっといなければいけないようなものですから、全部が機能的に近づければいいって事だけじゃない。例えば二十歳くらいの子ですから、好きな女の子にフラれた後ずっと同じレストランでご飯食べているのなんて辛いじゃないですか。 だから離れたがるって事と近づきたがる事をどうデザインするかという所から、こういうデザインになりました。 全長が800mくらい。距離感が、スケール感が全くない風景で、京都の駅ビルの1.5倍あるんだって言われてもよく分からないですよね。カタールからやっと脱出して、今こういうところでこれからどうなるんだろうという事を始めているって辺りで、僕の話を終わりにします。 面出: すごいですね。一番最後のやつは中国ですか。モンゴル? キルギス共和国です。 あそこのランドスケープはすごいですね。そういう場所に降り立つと建築家としては、なんかもう「これはすごい!」って思うのでしょうか。 場所に感動しますね。 本当に何にもないところをずっと走っていって、ここだって着く。事前に写真なんか渡されていても何も想像できないですね。 |