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Mariotトークセッション

神谷 ...ということでですね、バラバラの3人がさぁ今から何をということなんですが、すごく仕事のフィールドが違うといえば違うと思うんですけれども、こう何か共通項の中にですね、先程の有馬さんの何かおばあちゃんの歩く空間をつくってあげるとか、なんかその地域だけでなくて人に対するメッセージはそれぞれ表現が違うんだけど、何か優しいものがあるのかな、なんて思っているんですけれども、有馬さんは今この3人を見てですね、まず率直にどうだった、というか有馬さんの表現という言いかたよりも、まぁそれぞれがこう持っていることでどこか共通項、あるいはちょっと違うなと思ったこととか、何か感じたことがあればちょっとお聞きしたいなと思うんですが...
有馬 じゃ、一番最初に。福岡にいて当然活動はしているんですが、先程最初に言ったように、かなりあちこちでこう飛火していまして、いろんな所でいろんなプロジェクトをやるはめに今陥っているんですね。
まぁ極端な事をいうと、ある所に行ってやるっていうことが僕の場合はそれはそれでいいんで、別に何の営業的なものをやっている訳じゃないんだけど、ただ最近特に多いのは、私の場合、私が今やっていることを海外の雑誌がかなり紹介いただいてますね。多分50冊以上出てるんですね。
それは非常に不思議な現象で、昨年はロシアまでも波及されまして、ロシアでも出版をされたり永遠と繰り返させる。
でもその時必ずその不思議な現象があるんですね。
それは今の話に多分つながるんだけど、まぁ今日の地域性みたいな話につながればいいなと思ってこういう話を始めているんですが、自分でははっきり言ってすごいワザと意識的にですね非常に強い形態を今操作して、その中におもしろい物が起こらないかな、その中に例えばおばあちゃんだから古いものが好きだ、とかいうのは以外と嘘で、おばあちゃんは以外にモダンだったりするんですね。僕がいろんなことを話していると。
...で先程の建物の他にも京都で実現した非常に体が痺れて全然どうしようもない位のおばあちゃんの家をまたもう一件去年実現したんですけれども、そのような状況をずっと見ていく中で、海外の場合は以外に私がスーパーモダンをやっているということを思った以上に認識していないんですね。
やっぱりその出版の取り扱い方が非常に日本というか、「和」まではないかもしれませんが、結構「禅」とかですね。

3年前位出たイタリアで表紙になったプロジェクトは「悟(さとり)」という表題が付いていて、「あぁ、やっぱりそうなのか」と。今の心という話につながるかもしれないんけど、もしかしたらもう逃げられないね、なんかそういうものが僕はもうあるんじゃないかなと最近思うんですね。
神谷 DNAみたいな。なんかもう・・・
有馬 DNAまでいったら格好良いんだけど、もっといい加減で、どうあがいても極端に言えばヨーロッパのああいうモダニズムとかアメリカのいわゆるもっとコマーシャリズムですね、そういうのになかなか浸透されていない自分があるというか...
それは僕もちょっと恐縮ながら、海外での講演も幾つかありましてですね、メキシコであったりニューヨークであったり実はして来てるんですが。
神谷 そういう時は、日本語でやられるんですか?
有馬 もう全然日本語ですね。
神谷 ベタベタの。
有馬 まずあの講演を受ける時の向こうから来るレターに対して、とにかくインターアプリターを付けろと言う事なんですけれども、まぁその時も必ず呼ばれるのはそういう事なんですね。
神谷 日本の話をしてくれということですか。
有馬 むしろお前は非常にトラディッショナルな建築家だろうと、有馬というのは非常に伝統を見据えているんではないか、全然見据えていないところもあるんですけれども、あります。
だから、もしかしたらそこをなんかちょっとそろそろですね、僕はお二人の今の講演の内容とスライドを見ながら何か僕達が気づかないね、何故かというと「ファーイースト」と呼ばれるんですねここ日本は。極東というのはすっごく時々頭に来るんですね。
何で極東なんだ、東の至った場所ということなんですよね。
でも何かそのそれを感じることがあります。
ちょっと中途半端な話なんだけど、特にそれを最近思うんですね。
神谷 松下さんなんかは、実際にアジアというかタイとか、タイ以外にもどこかやられいるんですか?
松下 そうですね、あちこち。
神谷 あちこち?
松下 そうですね、ミャンマーだとか、ベトナムだとか...
神谷 あんまり治安良さそうでない所ですね。
松下 韓国とかね、台湾だとか良いところもあちこちしていますけれども...
神谷 今の日本人みたいなのとか、なんか。
松下 ありますよ、やっぱりすごい宗教的なこととかを年をとればとるほど、ってあんまり年をとっていませんけど。
すごく感じるようになってきて、「祈り」っていうのかな、なんかこう光っているのはすごく神に近い扱いがあって、例えば火を燈すとか祈るという行為にすごく近い、そういうものを身近に感じると「あぁ、同じものがあるかな」ということをよく感じるんですよ。
神谷 なんか日本人的にいいな、と思ってタイでやったらそれはもの凄い失礼よ。とかなんかそういうこととかあったんですか。
松下 ありますね。
神谷 失礼というか、なんか。
松下 失敗例ですね。えぇ、山の様に。
神谷 それは素敵という表現とおよそ反対方向のやり方だよ的な。
松下 宗教的に使っていけない色とかありますね。
神谷 でもそういうのって大変でしょ勉強するのとか、勉強ってたってなんか、分かんなかったりしません?
松下 勉強はあんまりしないけど、失敗を重ねていくっていうか。
でもアジアの照明デザイナーと言われるのはちょっとだんだん辛くなってきていて、実は去年はニューヨークで仕事をしていたんですけどね、真っ白なお店をつくったんですよ。すごい色温度の高い5000kの、すごいお店を。
神谷 それは何屋さん?
松下 ファーショップ、毛皮屋さん。
ニューヨークの人達にリサーチをすると真っ白なお店をつくると病院みたいだから駄目って最初言われたんですね...絶対流行らないと。
でもそのデザイナーのコンセプトはやっぱり毛皮だから氷の様な寒い空間で売ると。それをずっと貫いたんですね。
そしたら、周りの空間はすごく暗くて、ちょっと洒落た空間の中に氷の様な空間のショップができて、すごい話題を今呼んでいるんですよ。
だからなんて言うのかしら、使っちゃいけない色とか使ってはいけない光があるとしても、そのコンセプトを揺るがさないでいくべきだなと感じているところです。
神谷 さっきのあの、満月の明かりとかあれってどうやってライティングしたんですか?
いわゆる建物自身にからくっつけて明かりをとった訳ではなくて、ちょっと離れた所から、ある例えば南南東の空からポールでも立てて、そしてポンと立てて透過したんですか?
松下 そうですね、照明器具自身は付けないと駄目だから、付けないとね。
街灯が周りに立ってましてね、そこの街灯の所にフレームを出しまして、そこに付けたんですね。先程言ったように、文化財は建物に付けてはいけないから、遠くから照らすしかないんですけど、方向をみんな一緒にする。例えば満月がここに出てこっちに向かった時にどういう角度でいくかということを計算して、みんな同じように光と影の出し方を計算したんですよ。
神谷 それって面白いですよね。
僕さっきのお話を聞いて、なんかライトアップじゃないっておっしゃっていた意味が、ライトアップという言葉は好きじゃないと・・・いやなんかすごい面白かった。
有馬 ひとつね、神谷さんに質問があるんですけどね、さっきのこと。
神谷 はい。
有馬 緊張しないで。
あのあういう風に例えば一風堂さんとかつくりますよね。
僕の今の考えていることとは極端に言うと逆説的に違っているんだけど、それで逆に教えてほしいんだけど、例えば、一風堂さんとかが日本各地にどんどんできるじゃないですか、神谷さんが設計して。その個性はどうやって付けるんですか?例えばその地域地域と。
神谷 京都でも実は一風堂をつくったんですね。
京都の時は、壁にですねやったのは、僕の場合はとてもアナログなんで、あと笑わせてなんぼというのが多少あるもんですから、
有馬 よく分かります。
神谷 ...でですね、京都でやった時にはですね、お線香をずっとその、京都のお線香というのはすごくいろんな色が沢山ありますね。
長いもの、本当のお線香なんですけれども薄紫とかからしの渋いのとか、そういうものをこう一抹に貼った壁を、ワーッとつくったんですね。
ある個所には西陣織の様なものを垂木に巻いて、それをこう壁にザッとやったりとかって。
それが京都でなのかって言ったら別に京都じゃないんですね。
いわゆる有馬さんの言われる所っていうのは、福岡って言ったら福岡ちゃうやんと。
例えばさっきの駅麺通りでもですね、札幌ラーメンだから札幌のインテリア、和歌山ラーメンだから和歌山のインテリア、っていう風に、どうするとそれが和歌山なのと。例えばフランスの東側とドイツの西側の違いって本当にある?っていうか、明確にですね地域性がはっきりと分かれるインテリアとか建築っていうのは、実は札幌だったら時計台とか、そんなに札幌直接じゃないけど、じゃあ白だなと、昆布みたいな物をアクリルに挟んでですねそういうオブジェに入れたりだとか、和歌山だったら紀州、梅だからレリーフにうぐいすでも置いてやったりだとか、連想すれば非常に分かり易い、突っ込まれた時になんとなくそうだよねと。

じゃぁ、博多というコンセプトで一風堂さんが全国展開していく時に、勿論京都であり、銀座であり、六本木であり、実は今度神戸でやるんですが、「神戸ね、何が神戸で一風堂で神戸らしい一風堂ってなんやろう」というのをですね考えれば考える程、ほんと具体的なことって、じゃぁ広島でもしつくったら、原爆ドームみたいな風なインテリアっていうか建築をつくったらそれが広島かっていったら、それはマインドが違うっていうか非常に普遍的なものっていわれるよりは錯覚して頂くような物をですね、表現の中に入れてできればアナログになんとなく「うん、あー、そう」位のことで分かっていただけることでやっているなところはありますけれども。ただ比較的どちらかといえば、全国展開でやるということはそんなにないんですね。

...とは言いながら、今「和民」という居酒屋さん。東京の方で大きく展開していまして、実はここの新しい「和民」さんというのをお仕事を頂いて、僕はこういう性格なんであまり門きり型の同じお店を何軒もつくるというのは好きじゃないから、チェーン店のお店をいただいても同じインテリアをあまりやりたくないという風で。
じゃぁ両国でつくった「和民」はこうだけど、心斎橋でつくった「和民」はこうだと。それをですね、6軒目か7軒目位からくるとですねちょっと厳しくなってくるんですね。
速度はだいたい、1ヶ月に2軒とかお話を頂くと、100坪クラスを「ちょっと、ちょっとお待ちください」みたいな感じでですね、最近はディスプレイとかそういう物とかでですね変えたりしています。
有馬 実際、先程の松下さんのお話も含めてなんですけどね、僕が今ちょっと行き当たっているところがあって、それはスケールの問題なんですね。
今のお話もそうなんだけど、明らかにね例えば神谷さんがヨーロッパでやったとしても神谷さんのスケールを出していくだけだと思うんですね、たぶん。極端に言うと、僕もヨーロッパかなり行ってますし、ニューヨークでも色々している時期があったりして、確実スケールが違うんですね。
そのスケールの違いは僕は今の所ですよ、単純に言えば、表面が赤土であろうと別に線香であろうと多分距離感とかね、僕の事務所ではディスタンスと言ってるんだけど、距離の違い。例えば皮膚感覚の違い。僕も松下さんと一緒でベトナムでプロジェクトやってたことがあるんで、向こうの距離感と日本人の距離感は微妙に違うんですね。
でも日本人と例えば欧米人、欧米人というかアメリカ人、また距離感がまた違うんですね。その距離感の違いが私はすごく今は重要だと思っているんですね。

何が言いたいかというと、一風堂さんの持っている独特の距離感を多分ずっとやっているんだと思ってずっと見ているんですね。
僕はさっきのスライドは。そういう勝手な読みですね。
だからその中にたぶん光の持っているライトアップの距離のとり方。当然それぞれの作家によってね、むしろ作家っていうのは極端にいえば、割り切りとどちらかというと責任を取ってやろうと思ってやってますから、退歩、後ろに退くことはないんですよね。
それは前提条件としてはそうだと思うんだけど、今の話を聞いた時に以外とね先程全然違うとおっしゃたけど、ほんとはね勝手なことを言うけど、表現は違うけどもしかしたら同じ様な事を一生懸命皆でやっているのかなって気がするんですよね。
例えば貼り付けるものが土壁だったり、僕は例えばステンレスのパネルであると。

もう一つは距離感の違いというのをね、例えばさっきの演出の表現の仕方からいうと、光の当て方というのを時間のショットの取り方だと僕は思うんですね。
それが明らかに例えば海外に行った時にそれが違うんですね、僕ずっと見てて、だから何か僕はとても興味深いわけですよ、スケール感、グラディエーション、だから表面に現れない何かそこが何かそろそろね、すごく興味深く僕は今、思っている所なんですよ、その辺りは。
僕が司会しているわけじゃない。すみません。
神谷 はい、えっとですね。
有馬 いや、松下さんに聞きたい
神谷 僕からいいですかね。
松下 どうぞ、どうぞ。
神谷 今のお話いい話だな、ちょっと。
実はですね、僕は伝えるっていうことですね、物をつくって伝えるという仕事をですね。
有馬 あえて言うけど、携帯のあの音声の音も欧米と日本では違うんですよ、微妙に聞くと...
神谷 そうですね、あの声のなんか波長が違うから日本人が言っている声が聞こえにくいってことがあるんですよね。
松下 色も全然違うしね。
有馬 もっといえばブルーアイで見る光の量と黒い目で見る光の量は全然違う。だから欧米の方は暗くてOKなんです。それ試したら失敗しちゃう。
神谷 前に、パリの凱旋門に行くとき地下道じゃないですか、あそこめちゃめちゃ真っ暗じゃないですか。
こんな公共の凱旋門行くときがこんな暗くていいの、と言ったら「向こうの人はさ目が青いからさ、あんた達はサングラスしている様な目の色している訳だから、あんた達にはもうちょっと明るくなきゃ駄目だけど、欧米の人はもう青い目なんだからいいのよ、この位の明りでも十分あの人達は明るいの」とか言われて。
松下 自然光の色も違うんですよね。北海道と沖縄では全然違うんですよ、今沖縄に住んでいるんでしょ。
神谷 そう、沖縄に住んでるんですね。
松下 沖縄でライターつけたらオレンジでしょ、でも北海道でライターつけたらブルーなの。だから私達の見ている光の波長は違うから距離ってすごく面白いですよね。
有馬 距離って素晴らしく重要ですよね。
神谷 ではそれでですね、じゃぁ距離の話ですけれども...
有馬 さらっと。