| HOME>トークセッション>MARIOT EVENT in 福岡 P.1/2/3/4/5/6/7/8/9 |
| 【八千代座】 |
| 私、実は熊本の山鹿市という所で生まれました。山鹿市というのは山鹿灯籠で有名な所です。 この八千代座というのは重要文化財として修復されて、 一昨年になりますが新しく変わりました。 その照明を依頼されまして、実は私は、光の町に3歳までしかいなかったんですけれども ここで生まれて、これは何か運命的なものがあると市長さんに言われまして、上手く乗せられてこの照明をした訳です。 八千代座というの所は「ハレとケ」の「ハレ」の部分です。 楽しいお芝居を見て、皆で界隈性を求めるという所であった訳ですが、 この八千代座の照明を頼まれた時に「実は昔照明なかったよね」と思ったんですね。 この建物を照らすとライトアップを頼まれてお願いされても非日常的な物はつくりたくなかった。...で、そこで、私は月明かりをつくりたかったんです。 |
||
|
||
| 月の明かりの中で八千代座がほんわりと浮かんでいるという雰囲気をつくりたかった。 文化財ですので、この中に照明を色々取り付けるというのは絶対不可能でしたので、皆同じ方向から照明を当てて、これはちょっと写真で少し明るく写ってますけど、 やわらかい雰囲気で「今日はあれ、満月だったかな」と思うような雰囲気の芝居小屋をつくろうという風に思いました。 中はですね、昔の物を忠実につくりましたので、当時としてはとてもモダンなシャンデリアがついていて、それを忠実につくり直してます。 本当にここでお芝居が行われるので、上の天井の所からはですねパタンと上げるとパーライトが降りてきたりと、今のシステマチックの物が全部収納されているんですが、見た目はもうきちんと昔のままになっています。 |
| 【山鹿灯籠民芸会館】 |
同じく乗せられてと言いますか、八千代座の前に豊前街道というのがあるわけですが、その下に旧安田銀行の建物なんですけれども、 八千代座はとても古い日本の芝居小屋でして、こちらは随分モダンな銀行の建物で、これは有形文化財に指定されたんですが、指定される前に是非これをライティングしたいという依頼がありました。![]() 文化財に指定されますと先程も言ったように照明器具を建物に付けるというのがとても難しくなるので、出来るだけ指定される前にプランしようと考えたのです。 先程のその日本的な家屋とは対照的に大変西洋的なモチーフが色々あるんです。 そのモチーフをきちんと照らし出してイメージをつくっていこうという風に思ったものです。 こうやって単体で映してしまうとそれだけなんですけれども、一つ一つのですね柱だとか彫刻だとか、カービングだとかそうですね、石の具合だとか、そういったものを表現したいと... 実はですね、ここを毎日歩いているおばあちゃんがこれが出来上がった後に見上げて「こんな物が何時から建っとたとね」と 言われたんですね。 普段はみんな見上げるという事はしないんだな、と。そして真っ暗だと今までそこに何もなかったのが浮かび上がってくるというイメージで、 私はなかなかライトアップという言葉もいいかなとこの時に思い出した一つの物件であります。 |
| 【ルミエール】 |
| 時々光をやっていますと形をつくりたくなります。 建築も興味がありますし、インテリアもやってみたいと思います。 そんな時に「光が大事だ」と言ってくださったクライアントがいまして、これは大村美容専門学校という大濠公園の側にあるんですけど、最初から「光」というキーワードでお仕事が来て、 その時にでも建築家がちょっと決まってないのよね、と言われて「じゃあ」という事で、一緒にお仕事をしたかった高松伸さんをご紹介してその時この物件をつくったんです。 それで高松さんも光が切り口だったものですから「ルミエール」という名前を付けてくださって。 前にですね大きなO字があるんですけれども、 そこの中を照明スペースとして使っていいですよということで、私の方に照明をさせていただけたんです。 これを一つのイメージとして照明をどうやって捕らえるかということを、最初から打ち合わせをして、建築の中に光を取り入れて行きました。 |
![]() |
| 大変こう3次元的な空間でアールを切って後ろもアールで横もアールでそれをポイント的に持ち上げているガラスの表現でしたので、私はなんとなく大濠公園の水族館的なイメージでつくりたいなと思って薄いブルーをやわらかく計算して付けました。やはりあの建築の面白さっていうのを表現したかったですし、昼間はOの部分が見えて夜になると中の部分が透けて見えるという2面性を出せるんじゃないかなと思いましたので、そういった表現をした例なんですね。 先程ミニマムでマキシマムの効果を取りたいと申しましたが、出来るだけ照明器具は目立たないように、どこに何が付いているのか分からないようにしたい。 でも夜になると的確にそのテクステャが浮かんで来るという表現をしたかったんです。 床は真黒ですから光が当たってもほとんど感じないのですが、その物のよさというのをやわらかく、色温度や照度や配光を気にしながらですね、すべてプランをしていった一つの例です。 教室は丸い建物ですので一番上はこういう形をしていますが、2階3階4階と全部ですね床面積と天井面積のバランスが違うんですね。 その中で学校ですのである程度の照度。それから美容学校だからきちんと見えなきゃいけないということもあって、その計画で初めてすごく照度計算を手計算で何度もした物件なんですね。 大変でしたけども、一つ一つ表情が違っていて、こんなに空間が床とそれから天井の大きさが違うと 光って変わるんだと思うような表現があるんです。 なかなか中は見えませんが、外光が入ってきたり、中の照明だけでこう雰囲気が変わったり、本当に面白い建物だったなと思います。 |
| 【はせがわ 銀座店 】 |
これは一番最近のお仕事ですが、「お仏壇のはせがわ」さんの銀座店なんですが、 これはですね、テーマがありました。「お仏壇のはせがわ」さんがミュージアムをつくりたいということをおっしゃられて、テーマが「光と漆」だったんですね。そこで「金」という神々しい物をイメージとして なんとなくこう皆さんが持ってらっしゃる、「金」は成金主義で成金的な神々しさがあってあまり良くないイメージがあるとすると、それと全く逆のとても美しい、日本がとても大事にしてきた「金」という物を 表現したい、それから漆とそれを光で表現したいというコンセプトから始まりましたので、 これがファサードなんですが本物の金糸でタペストリーを織ってそれをガラスの中に入れているものです。 ![]() このタペストリーは金糸なんで熱にやっぱり弱いということ、それからフィックスしてしまいますのでメンテナンスが出来ないんで、今回はすべて光ファイバーを通してですねタペストリーを表と裏から照らしあげています。 昼にはですね、自然光が当たってもの凄く神々しく輝きますが、夜になるとバックライトでほんのりとしたその「金」の表情を出しています。 私は常日頃光というのは影があって、やっぱり影があるからこそ光が見えてくると思っています。ですから昼間の雰囲気と全く違うその夜の表情をつくることに最大の努力をしました。 一階の、奥行きはそんなにないんですけれども、一回入った時にやはり世界観というのを出さなきゃいけない。照明の鉄則ですが、一番奥が明るくて そこに行くまでの光というのは非常に入り易くする。 ショップといのは入り易くしなければいけません。 1階と2階というのはショップで6階が美術館なんですね。 全く性格の違うものがありましたんで、光のコンセプトもそのフロアー別に全部分けました。 これは6階のミュージアムなんですけれども、光のデジタル化ということをすごく考えてまして、ミュージアムっていうのは宝物を忠実により綺麗に見せることが必要とさせているわけですが、これも全部光ファイバーで演出しまして、中に金の茶室があってお茶会が開かれるんですね。ですから、そのお茶会のシーンも必要だし、美術館のシーンも必要。そしてお仏壇という性格上、ご年配の方が買いに来られるんで、私達が明るく感じる明るさ感と違いますから、明るいシーンもつくらなくてはいけない。 そういったものを一つ一つ調光していると大変だったので、全部シーンとして組みましてね、ABCDという4つのシーンで一つ押すだけで全部がそのシーンに変わるといった試みをしたものです。 これは美術館のシーンですから宝物だけが綺麗に輝いている、正面にあるのは翡翠のお仏像です。 これは、ちょっと戻っちゃいましたけれども、1階の敦煌の絵で勝井先生の作品なんですけれども、天井が漆喰だったこともあってできるだけこの壁面をやわらかく照らしたかったんで、照明器具を出来るだけ目立たせなくするために、漆喰をカービングで切ってもらって、そしてウォールウォッシャーが見えないように仕込んでやわらかい敦煌の絵のイメージを浮かびあげたものです。 とりあえずですね私の作品をご説明させていただきました。 |
|
|