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| 松下 | 大変面白い話を聞かせていただきました。私は照明デザイナーですから、皆様の様に形をつくっているわけではなくて、光を扱って色々なものを表現するわけですが、基本的には私は最少の器具で最大の効果を取ると、いわゆるミニマムでマキシマムの効果を取るというのを目標としています。 今日は皆様ご存知の物件が多いかもしれませんけど、ちょうど10年位前から私は何故かアジアの照明をするという印象が強いのかもしれませんが、色々な国で仕事をさせてもらって、その時に感じた事とか、それでどんな光をつくってきたかとか、そういう話ができたらいいなと思って幾つか写真を選んでいます。 |
| 【アジア大会】 |
| 最初はアジア大会の写真なんですが、今年ちょうど釜山でありましたが、釜山の仕事はですね、小泉さんが靖国を参拝され、私全部キャンセルになりまして、釜山のアジア大会は私にオファーがなかったんですけれども、こんなちっちゃな会社でも一応、国家を背負って仕事をしているなと感じたものですが。 4年前はタイのバンコクでありまして、私にオファーが来て開会式と閉会式の照明のショーをしませんかというお話がありました。 私自身はタイのことを当時はよく知らなくて、王様の国だとか、大変みんな王様を愛している国だというイメージしかなかったんですけども、実際に私もここに1ヶ月位滞在して、いろんな事を学んで勉強させていただきました。 まぁバンコクではですね、アジア大会というのはオリンピック並に大きいんです。 日本ではアジア大会といったら本当に小さなものなんですけども、小さなアジアの諸国ではアジア大会に出れるというのは、オリンピックに出れる位の本当のオリンピックのようなイメージで捕らえていて、アジア諸国ではこの会を開催できる国力があるということにすごく誇りを持ってます。 そういった中で、アジアの中でそのタイの歴史だとか文化だとか、そういったものをいかに分かっていただけるかというのをですね、大変沢山のシーンの中で表現したいということがあって、私はその中で一番最新の機器でそれを表現できたらいいなということでお手伝いした訳ですけども。様々なシーンがあって、これはあの開会式の時のナーガっていってですねちょうど長い蛇、龍が七つの頭がある龍がいるんですけれども、それがこう踊るシーンです。 |
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| これはマハジャナカの一生といってですね、マハジャナカさんが神の教えを説いてそして天に昇って行くまでの表現をするというシーンですね。 布で海を表現をして、その中で後ろの方には影絵もあったりそういった表現がありました。 私はむしろ照明で何のお手伝いをしたかというよりは、この歴史だとかこういうお話を逆に知ることが出来て、そして皆の中で皆さんがイメージしている光っていうのを、沢山吸収することができました。 もっといろんなことをしたかったんですけど、テレビに映る最低の照度というか、最高の照度と言わなきゃいけないと思うんですけど、ありましてね。 あんまり暗いシーンがつくれない。私は影を表現したかったり、ブルーだとかそういう優しい色で表現したかったんですけれども、やっぱりどうしても大会の性質上しかたない所が沢山ありました。 ![]() これは閉会式の「ライト・オブ・アジア」というタイトルも私が付けさせていただいたんですけども、「アジアの光」って私にとってなんだろう、という最大のテーマをいただいたので、「アジアの光」は派手な光ではなく沢山の無数のローソクがあったらいいなと。ということで最後の光はですね、 全く人工的な光をなくして、ローソクの光だけで表現したものです。 これは最後のシーンなんですけど、子供達に沢山のローソクを持たせて、そしていろんな踊りをしてもらってその表現をしたものです。 私はこのタイの仕事で本当に感動しました。 光で感動を与えるということを、初めて大会として参加させていただいて、デザイナーとしてやりましたんで、私にとっては凄く大きな経験だったわけですけれども。 イベントの光っていうのは実はこれが初めてだったんです。 それでこんな大きなショーが自分自身も出来るとは思わなかったんですけれども、沢山の方々の力でやはりコラボレーションしながらやっていった、その国の楽しさだとか、言葉の楽しさだとか、思っているものの同じさとかそういったものに凄く感動しました。 お陰で、沢山タイからプロジェクトが来るようになって・・・ |
| 【thailand project】 |
タイのプロジェクトを持ってきたんですが、これは王様のお誕生日の状態なんですね。 町中がディズニーランドの様に変わります。王様のお誕生日は12月5日なんですけれども、こういうゲートや光がいっぱい出てきて、国がすべて喜ぶんですね。 私の方にゲートをデザインしたらどうかということがあって、たまたまアジア大会の時期とかぶさっていたんですけれども、その時にいろんな物語を知ったものですから、これはちょうどそのナーガですね。 頭が七つある龍のゲートをつくりたいと思ってつくりました。普段こういうデザインは全然しないんですけど、この時は是非やってみたいなと思ってですね思い切ったデザインをしたんです。 これはガルーダですね。 ガルーダをアレンジしてつくったものに、七色の光を当ててゲートをつくったんです。こういった物をですね、日本人の私にさせてくれる心の広さもありますし、私がつくってタイのイメージを私が認識しているものが形になっていくというのは、とても寛容であり、皆さんの思いっていうのが伝わって来たんですね。 ![]() その時同じ時にですね、タイのバンコクの山の上にある大きな「鉄のパゴダ」っていう名前のパゴダなんですけれども、それをライトアップさせていただく機会が出来たんですね。やはり、シンボル的なライティング、私はあまりライトアップという言葉は使いませんが、ライトアップをして神に近い光をつくるということに大変興味を持って、先程のパレードの様な町の中にすごく荘厳な雰囲気のライトアップをしたいと思ったんです。 これは町のどこからでも山を見上げるとこのパゴダが見えるんですけれども、私のやった仕事の中では一番派手なライトアップなんですね。塔の性質を利用して一番上のきらきらした所にも照明を持ってきて山の上で星がホワッと光っている様なイメージをつくりたいと、思ってつくりました。 |
| 【福岡タワー】 |
| これは、皆さん住んでらっしゃる所なんで、よくご存知ですね。 いろんなアジア諸国で仕事をしてきて、また福岡に戻ってきた時に福岡タワーのお仕事がきて、福岡のシンボルタワーとして1989年にアジア太平洋博覧会の時につくられたんですけれども、10年経った時にすごくそのポテンシャルが下がっていたことに気づきました。 |
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| 勿論来訪者も減るし、800円かけて上に登っていく人も少なくなってきたし、改めていろんな国を見て帰って来た時に福岡の洗練されたタワーをもう一回つくりたいと本当に思ったんですね。 それで、私の思いだけではなくて、いろんなアンケートを取ったりしてこのタワーの照明のデザインを進めた訳ですが、いわゆる高さ感、234mという高さをですね、日本の海浜公園の中では一番高いにもかかわらず、昔、展望台のあった所にネオンが付いていたものですから、皆150m位にしか思ってなくて、だからもっと高さを表現したかった。 それからアンケートで出た福岡のイメージのブルーというイメージをタワーの中に取り入れたかった。遠くから見ても近くから見ても、そして見上げてもシンボルとして凄く誇らしい物をつくりたいと思って、本当に1年デザインをかけてですね、私は鉄塔の一番上まで実際登って本当に付くかどうか確認に行き、そういうことをしてでも新しいタワーの表現をしたかった。 福岡タワーというのは実は割に見えにくい場所にあると思いますね。 例えばシーホークホテルがあって、海から見ても山の上ホテルの様な高台から見てもいろんな建物に隠れてあんまり見えないんですね。昨今光害という問題もありまして、夜空に向けて投光するのはどうかとか、星が見えなくなるじゃないかとか、いろんな問題があったんですけれども、私はランドマークとしてのこのポテンシャルを取り戻すという意味ではここでは思い切ってライトアップしようと思ったんですね。そこで鉄塔の部分も一生懸命照らしましたし、遠くから見ても綺麗なように、イルミネーションの効果としてタワーの輪郭を取りました。 ![]() そして、1989年には南側がもちろん正面でしたけども、福岡市っていうのはアジアの拠点都市を目指すといっている訳ですから、北側の海に向いているこちらの面が21世紀の新しい福岡タワーの正面ではないかとゆう風に捕らえて、船で入ってきても、飛行機で降りてきてもこちらの面が良く見えるんですね。 でも今まではおざなりで何もされてなかったので、こちらの後ろ側に新しい顔をつくろうと。 最大にその建築の良さを引き出して差し上げようと思ったので、後ろは非常階段なんですが、このタワーの骨格を出してあげて、そしてキラキラとする楽しさ、いわゆる私いつも言うんですが、発光している、キラキラしているものというのは町に潤いを与えると思うんですね。 ですから構造のH鋼の部分に小さなハロゲンビームのライトを用いて、新しい表現をしてみた例です。 これは実は変えた後そこまで大きな話題にはならなかったんですけれども、どちらかといいますと福岡タワーはクリスマスのツリーだとかバレンタインデーのハートだとか付けるものですから、あちらの方の印象が強くて、なかなか変わったというイメージがなかったんですけれどもね、これは北米の照明学会ですごい良い賞を頂いたんです。 良いものをつくると照明業界ですごく評価をしてもらえるということに私達はとても嬉しかったし、そしてシンボルタワーとしてのポテンシャルを取り戻せたんじゃないかなと思いますし、私がアジアの仕事を一通り済ませて帰って来たときにさせて頂いた大きなプロジェクトだったんで、改めてこうやって見るとすごく嬉しいものがあります。 |
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