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岩井 次ぎに丸ビルの一番上にあるレストランです。 最近、LEDがすごくブームになっていますけれども、そのLEDを使って、単純に色彩を出すだけではなくてLEDの色彩をどういうふうに使ったらいいかということを考える必要があると思っています。 どうしてもLEDは色が出るからと、こけおどし的に使うことが多いですが、そうではなくて、やはり照明に使う場合は、その場の環境を変えてあげるという大きな力がLEDの色彩にはあると思います。 例えば、レストランというのは、特に冬の寒いときと夏の暑いときでは雰囲気を変えたいというのがあると思うので、ここでは、そういう使い方をしています。 これは壁に埋め込まれた15個のガラスブロックです。
簡単に言いますと、15ドットのテレビなんですね。 要するにそれで後ろに炎の光を出せば炎に見えるし、水の流れたような感じにすれば涼しげな雰囲気が出ます。 それ以外にパープルの色も出ていますが、これもちゃんと意味を持った色の使い方です。 幾つかパターンがあって、これを実際にお店の方が運用しています。 できるだけ運用しやすいように、実はパソコンではなくて壁にカチャカチャとボリュームのようなスイッチがあって、それを回すことでこういう幾つかのパターンをコントロールできるようになっています。 ![]() これは日本大学の理工学部の校舎です。 「光育(ひかりいく)」から考えると学校というのは、今後より考えていかなくてはいけないと思います。 特に理工学部という建築学科があるところで蛍光灯がむき出しというのはよくないかなと思います。 全体的に間接的に光が出てくるということに拘ってつくりました。 建物の手前側にはあまり照明器具をつけず、全部コア側の壁を照らすことで、その光が外に出てくる。国立新美術館に共通するような使い方をしています。 廊下は、壁側にだけ照明をつけました。色彩のある壁です。 ダウンライトを使わないで壁際だけに間接照明があるという使い方をしていますが、結構これだけで十分明るいです。 カフェテリアだけはちょっと華やかなスポットライトをつけています。 一番奥の壁が暗く見えないように間接照明にし、ルーバーの中に入っている小さなスポットがテーブルを照らしています。教室も結構豪華で、ルーバー付の照明器具を使っており、裸のランプがむき出しというふうにはしていない、ここで建築を学ぶ学生たち、もちろん建築だけではないですけど、そういう人たちには、ちゃんとある質を保ってあげようというのが建築家の意図だと思います。 これは、一番新しいプロジェクトで、東京駅の近くにできたサウスタワーというJRのプロジェクト一部のインテリアです。 ライトアップは私ではありませんが、真ん中のちょっと変わったオフィス部分を我々がやりました。日本人って大体同じように照明のオフィスに入れられてしまうのが普通ですよね。何も考えないで入れられてしまう。 それって今まであまり光に対してこだわりを持って育てられてこなかったから、別にこういうところに入っても何も違和感がないのかもしれません。 あの真ん中の照明がいいとは私は言いませんが、もう少し昔からいい光になじんでいれば、こういう変化のある光を選択する人も出てきていいのではないかと思っています。 そういう意味では、今後、もっと違うオフィス照明のあり方が増えていってもいいんじゃないか。これは、それをわざとやってみたんですけどね。 ![]() この蛍光灯は遠藤照明に協力をいただいたのですが、わざとランダムに配灯しました。 これは模型を使ってプレゼンテーションしました。 こういう乱暴なことをやるときは模型をつくります。 なおかつ遠藤照明のショールームで実際の器具で実験をするというのもやりました。 ランダムに配置していますが、光にもむらがなく、照度も確保できるというのが実験でわかったので、施主にも見ていただいて、了承をもらいました。 これは、同じオフィスの中ですがペンダントにわざとファブリックを使いました。オフィスというと大体アルミでつくるじゃないですか、そういうのではなくて、これからのオフィスは少しやわらかい、ファブリックとかを使うのもあるかなと思って試しにやってみました。 汚れる心配がありましたので、一応上はアクリルのパネルにしました。 上は、サッとふけばきれいになるようにしてあります。 奥の一部会議室は、変更できない状態でしたので、一般天井のあるところにこういうペンダントを置いてわざと差をつけるというやり方をしました。 結構大胆にいろいろな丸いモチーフ等も使っています。 では、最後に一言ずつ「光育(ひかりいく)」について思っていることを述べて終わりにしましょうか。
松山 「光育(ひかりいく)」、読み方は「こういく」かななんて思っていたんですが、最初にこの言葉を聞いたときに、ある種目からうろこが落ちるような印象は受けました。 光って通常空気みたいな存在じゃないですか。あかりを灯す等、いろいろな言い方があると思うのですが、「育」をつけるというのは多少ブーム的なところがあるのかもしれませんが、「育」をつけるだけで非常に能動的に人が考えていけることなんだと思いました。 我々は当然空間を考えたり明かりを考えたりするプロなので無意識にやっているはずなのですが、一般の方々もこういった言葉を共有しながら光について考えていく、いいきっかけになるのかなと思いました。 ですから「光育(ひかりいく)」というのはこうあるべきものだということではなくて、こういった投げかけに対して光でできることはこれからどんどん見つかっていくでしょうし、みんなで煮詰めていければいいことなのかなと思います。 今回すごくいいキーワードを与えてくれたなと思っています。 蜂屋 私が光について考えるとき、建築の設計をしていますから、照明を真っ先に思いつくのではなくて、どう窓をとろうかということから始まります。 まずライトという言葉にしても、それはいわゆる照明でのライティングプランナー、ライティングデザイナーということとは違って、どう窓をとり、自然とのコミュニケーションというか対話をとるかを考えます。 照明器具で光をどう料理するかということよりは、自分が考えている光というのはどこからやってくるのかという、ちょっとエネルギー的な観点、照明をつけるとなると、当然電気を引き込まなければいけないという建物的な発想になってきますし、コンピュータにしてもエネルギーの問題は入ってきます。 窓をあけたら窓をあけたで、熱負荷の話となって空調にはね返ってくるという立場で仕事をしています。 食べ物をおいしく食べるとき、料理のテクニックをよくするということと同時に食材にもこだわるように、光について考えるときも光の根源というかどこからやってきているのかというのを考えると新しいことができるのかなと思います。 岩井さんが最後に説明された、タワー型のオフィスも、ご自分たちでやられたところ以外のところにはすごく可能性が残っていると思うんですね。 ああいうタワー型のオフィス1棟丸々提案できれば、そういった根源のところまでたどり着けるんじゃないかなと思います。 小さなことをやりながらでも、そういうことをいつも考えていたいなと思っています。 岩井 学生によく質問しても、光はないと困るけれど何だかよくわからんというのが普通の回答です。 では、「光育(ひかりいく)」で一番大切なことは、それを教えることかというと実はそう思いません。 私は再春館さんのやった中で非常に重要だと思うのは、光ということにちゃんとこだわることじゃないかなと。 再春館さんはいろいろなことにこだわるじゃないですか。 さっき「こだわりプロジェクト」とありましたけど、こだわるということがまず重要なんじゃないかなと思います。 さっき蜂屋さんが言われたように、普通のオフィスをバーンとつくってしまうのは、多分今まで通りのつくり方です。 そうじゃなくて、それでいいのかとふと考えをめぐらすことが一つの「光育(ひかりいく)」の始まりかなという気が私はしました。 松山 岩井さんの話にあったように、再春館さんでこだわりとしてやってきたことが「光育(ひかりいく)」ということに当てはまるかどうかは、いろいろなとらえ方があると思います。 しかし、我々からしてみれば、素人の方々が光ということを一つキーワードにして、ああでもない、こうでもないと、扱い方、運用の仕方に合わせて、結果的には照度計も持ちながら運用をされている状態の中に「光育(ひかりいく)」という可能性が非常に含まれていると思うんですね。 ですから、こういったことが「光育(ひかりいく)」だよということではなくて、いろいろなとらえ方があるだろうし、そういったことをわかって、とらえながら、ちゃんと生活している、考えていくということが大事なんだろうなというのが再春館さんの例かなと思いました。 蜂屋 今日は、特に再春館さんの例をとって「こだわり」ということをたくさんお話しました。 こだわるというのは、いろいろな知識をたくさんつけて判断材料を増やすということとはちょっと違うのかなと思います。 自分たちが実際にまぶしいと思ったらまぶしいと言う、明るいと思ったら明る過ぎると言う。 暗くても大丈夫だと思ったら自分でスイッチをひねるというか、自分の行動で伴って実感できるというか、そういう感覚といったほうがいいんですかね。 知識よりも感覚。 誤解を生むかもしれませんが、それが冴えればそんなに知識をふやす必要はないのかなと思います。岩井 そうですね。 知識だけじゃなくて、いろいろなことを自分でやってみる。 光を変えてやってみるとか、普通の蛍光灯を使うんじゃなくて、こういうものをこういうふうに使ったらどうなるか、やってみるということが重要なんですよね。 蜂屋 そうですね。 だから明るいかどうかといったときに、自分でこれは60ワットの電球だったらちょっと暗いけど、100ワットを買ってきたら明るくなったというような、自分の手で電球を取りかえて、明るいな、暗いなとか、さっきの模型みたいに自分で当てて、こう当たるんだなとかということは人に教えてもらうことよりも自分で実験をして実感をして育てていくということだと思います。 岩井 そうですね。 何かちょっとまとまったような、まとまらないような気もしますが、これで終わらせていただきます。長い間、ご清聴ありがとうございました。 松山・蜂屋 どうもありがとうございました。 |
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