| HOME>トークセッション>MARIOT EVENT 2005 Spring P.1/2/3/4/5 |
| 面出:もう時間が残り少ないんで、みなさんの方からなにか質問とか意見とかがあったらお聞きしなくちゃいけないことになっているんですけど、ございませんか? ...といってなかなかパっと手が挙がらないんですけど。(笑) 誰か知り合いがいないかなと思っているんですけど、私の知り合いで誰か意見がある方はいませんか? 中村さんなんか来ていらっしゃらないかな? あっ、いらっしゃる!どうぞ、一言。 今日ね、ちょっとあせっちゃってね、福岡のこの近くで僕たちがやっているプロジェクトをお見せしようとしていたんですが、忘れちゃって。 中村さんはこちらで建築をされていて、光のことをよく知っている方です。 中村:突然のことなので。 さっき話題にでたのは住宅ですよね。その街の光などで、色温度の問題だとかを知らしめる活動というのは、こういう講演会では建築家だとか建築関係の人たちというのは少しずつ理解していくと思うんだけれども、もっといろんな光のことを早く伝えて、豊かさを実感してもらえるような方法というか試みをしている街とかあります? 面出:そうですね〜 中村:どうしても専門家の中だけでの情報ということで、なんか止まってしまっているような感じがしているんですけど。 面出:先程、渡辺さんがおっしゃったみたいに、住宅の中で蛍光灯がいっぱいあっても真っ白な蛍光灯じゃなくて、例えば電球色などを使うと「ずいぶん雰囲気が変わりますよ。」なんていうことを実践して分かっているところがあったり、そういうレベルでどのくらいの人が分かっているのかというのは、まだ、未知ですよね。 渡辺:フロアスタンドってありますよね。 フロアスタンドをうまく生かしている住まいというのは、たぶん日本の中でもすごく少ないと思いますね。 日本人は、もともとみんなフロアスタンドだったわけで、それを一回失っているわけだから。 天井に照明器具がないと心配だってことに、戦後なったわけですよね。 それを直していく必要があるんじゃないですかね。 面出:そうでしょうね。 渡辺:もちろん、部屋によっては天井にあったって悪いことではないわけだけど。僕、アメリカの住宅やヨーロッパの住まいに行って、結構驚くのは、寝室とかの上に照明器具がなにもなくて。 ![]() 面出:そうですね。 渡辺:天井見たら何もなくて、フロアスタンドがぽつんぽつんとおいてあるようなところでみんな普通に生活していますからね。 面出:中村さんのおっしゃるようなところというのは、なにか今までの既成概念ではなくて、もっとこんなことをすると「すごくいい!」ということが分かりやすく、あそこにお連れすると「あぁ、そういうことか!」って分かるような、そういうサンプルが福岡にもどこにもどんどん出来ないといけないですよね。 渡辺:あぁ、それは大切かもしれないね。 面出:一つ出来ると「あそこ見てくれ」ということで、それを見た人がまた作ってくれるという。 だから渡辺さんが東雲の住宅を出されて「天井にダウンライトなんかもう入れないよ」って、「そうか、じゃぁ手すり照明でやろう」って。 東雲の住宅なんかはたくさんの人がみたら、手すり照明だけで眩しくなくてこれで十分なんだ、って思ってくれますよ。ああいうサンプルだと思うんですね。 渡辺:そうですね。 ああいうことって本当にさりげないことですけども、あれ一個やるだけでもすごく大変で。 こんなんで暗くて何か問題が起きるんじゃないかと最初は思うけど、ひとつ実現すれば光の質っていうのがどんなに大切で天井に蛍光灯が露出しなくても十分明るさは取れるし、問題ないんだと分かりますからね。 面出:やっぱり、天井伏図みて天井に照明器具がないとね、下が真っ暗じゃないかってみんな心配しちゃったりするので。そうではなくて、こういうふうになるんだよ、ということが分かる現場が出来てくるといいですね。 中村さんも一つ一つ丁寧に作られて実践していらっしゃるんだけども、例えば「福岡のあそことあそことあそこの住宅でこんなことを試しるよ」というそういう情報があって、住宅の灯りをみんなで見られるようなそんなツアーマップでも出来るとね本当はいいと思うんですけどね。 もう一つは、日本人がやってきたボタンの掛け違いみたいなことを修正するにはやっぱりメディアかなと思っているんですよね。 NHKの番組などで、僕なんかもずいぶん協力していろんなものを作ったりはしているんですけども。 できるだけ灯りというものをみんなの話題にしてもらって、少し灯りが明るいだけじゃなくて、「うまく使えるとこれだけ生活がおいしくなるよ。」ということを少し吹聴すると日本人は「そうか!」って変わってくれると思うので、僕らも嫌がらずにメディアなどを使いながら、やっていこうと思っているんですけども。 渡辺:そうね。良いデザインもそうですけど、良い光の環境、光の場っていうのも経験しないと分からない。 ちょっとお見せした横浜のギャラリーなんかもすごく気持ちがいいんですよね。 さっき面出さんがCCTVの中で光天井の話をした時、僕もすごく気持ちがよく分かる。 天井全部が無理なく、ふぁーっと光ってる中にいると自分が本当に浮き上がるような非常に気持ちのいい場所が出来てくるので。でもそれは経験すれば、みんな、「あぁそうか、自分でも分かったからやってみよう」と思うけど、経験していないと、写真だけではちょっと分からない。 面出:そうですね。 渡辺:だから、例えば住宅照明探偵団ていう照明探偵団の第2部を面出さんが育てないといけないのでは? 面出:うん。そうだね。なんか、良い住宅の照明をやる時っていうのは心してみんなで作っていくというかね、そういう仕組みが出来るといいと思うし。日本の商業施設というのは、いろいろな技術や照明の技術を非常に細かく使って店舗なんかを見ても世界一ですよ。 ただ、住宅レベルの日常的に触れる光が少しずつ変わってこないとね。 渡辺:そうですね。そのギャップがすごくあるじゃないですか。 さっき僕が言ったようなビッグプロジェクトの中の洗練性と、すごい高度なテクノロジーとそれと今度は住まいの急にガンと落ちた感じっていうのを、そのギャップを無くしていく作業が僕はまだ、いっぱいしなくちゃならないことだと思うんですよね。 面出:そうですね。今日はあまり、深く話す時間がないんですけども、先程渡辺さんに質問した例えば、日本というところが外から見られたときにちょっと特徴的に思われるのは、必ず谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」みたいなものを引用しながら「いやー、日本というのは光と陰の中間があって、すごく綺麗」って。 そういうことっていうのは、そうですねぇ日本の住宅の中にはなかなか探しようがないようなことになっちゃっているんだけども、もう一度、外から教わるようにして、日本がもっともっとこれから元気になってCOOLになっていくためには「日本てなんなの?」とか、「私たちが光でも建築でも持っている文化みたいなのってなんなの?」っていうふうに、少し考える・価値を転換するという意味でもね、大切な時点に来ているような気がするんですよね。 渡辺:僕も本当にそう思います。 陰翳礼賛の話で言えば問題なのは、陰翳礼賛は良かったけども、じゃぁ戦後の住宅は全部きれちゃうわけですよね。 結局、戦後の1955年くらいから40年くらいやってきた中で日本の住宅の意味が、また僕、でてきているかなと思うんですよね、小さいけれどもおもしろい。 来年、ニューヨークのジャパンソサエティというところで、日本の住宅っていう展覧会があるんですよ。 妹島さん、青木淳さん、僕たちも呼ばれていて、5・6人の建築家が住宅の展覧会をするんですが、今の日本の文化の中で住宅っていうものが、また違った可能性を持ちつつあるんじゃないかっていうアメリカ人のキュレーターの指摘があって。 面出:なるほど。 渡辺:何度も話しているように大きなプロジェクトは日本人うまくできるのは分かる。 小さなプロジェクトもぼちぼち行き始めている。 ぼちぼちで、ちっちゃいプロジェクトになったときは世界に他にないんですよ。 ...というのは面出さん、先程シンガポールのプロジェクトをいくつか見させてくださって、僕も友人が何人かいてケン・ヤングも友達なんですが、彼らが設計している住宅というと、だいたい1500平方mとか2000平方mとか、見に行くと僕たちもびっくりするんです けれども。シンガポールの人がみんなそれだけお金持ちではもちろんなくて、やはり貧富の差があって、ごく限られた人の住まいを作っているわけです。 ただ、例えば40坪の家とかね、日本の住宅雑誌には50坪の家とかいっぱい載っていますよね。 面出:そうですね。 渡辺:そういう家が必ずしもお金がかかっているわけではないけれども、非常に高い質でそれぞれの土地でこれだけ出来ているというのは、僕は今後もしかしたら21世紀の日本が評価される何かに繋がるかもしれないなとある時期、思ったんですね。 面出:そうだね。 もっと狭小なスペースというものを手塩にかけて、茶室のような一番小さなものの原点に戻るぐらいのつもりで品質を高めるというのは、もっともっと僕たちがCOOLに輝く、そういうことになるかもしれないですね。 渡辺:そう。それを今まで結構ネガティブにね、狭小住宅とかやっていたけど、そういうふうに考えるのではなくて狭小のものだってそれを100個たせば、かなりの大きさになるわけだから。 面出:LPAもCCTVとかではなくてですね、これからはもっと小さなものを。(笑) 渡辺:(笑) まっ、ビッグプロジェクトは絶対必要だから、それはそれで良いと思うけどやっぱり両方だと思うんですよね。 面出:そうですよね。 渡辺:そう、両方やる。どうしたら両方かかっていけるか、ということじゃないかと思うんですけどね。 面出:分かりました。 ちょっと時間が予定より過ぎてしまったんですが、この後にもワインを片手にみなさんとお話する時間があるようで、またそういう時に渡辺さんや私を捕まえながらちょっとご意見を頂きたいと思います。 長時間になり、結論のでるテーマではなかったんですけれども、私たちのプレゼンテーションこれで終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。 渡辺:どうも、ありがとうございました。 |
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