| HOME>トークセッション>MARIOT EVENT 2006.10.30 P.1/2/3/4 |
| 先程、デザインのグローバル化ということをお話ししましたが、それに対しましてデザインコンセプトのローカル化ということをお話ししたいと思います。 コペンハーゲンに行ったときに気がついたんですが、空港でディナーを食べた時、非常に暗いなと思いました。 それはインドネシアに行ったときの経験などとは随分違います。例えば公園に行きますと、大きな木があって、木漏れ日があるのですが、2000個のキャンドルがついているようなものです。 こういった環境ではどういうことになるかといいますと、マーケットに行けば150メガワットの電球をぶら下げています。それでも快適なわけです。そういった環境にあるわけです。ですので、照明デザイナーとして我々は、環境の中でのデザイン、そのビジュアルな部分、視覚的な部分はローカル化が必要だということになります。 すなわち、もうこれはIESで、一律に当てはめることはできないわけです。 シンガポールでIESのハンドブックを踏襲していますかと聞かれますと、私はイエスと言います。 どれですかと。シンガポール版だと。もちろんシンガポール版というのはないんですが、しかし私たちはそれを遵守すべきだと思うわけです。 子供のように聞こえるかもしれませんが、そこがリアリティーです。 我々は、我々が実際にデザインを行うその場所のためのデザインをする必要があります。そこが人々が生活を楽しんでいる環境なわけです。 また、ローカル化の中には機能面もあります。 機能的な要件というのは直接的にどのぐらい光になれているのかということです。機能というのは目に見える部分です。 それから、商品のブランド化ということがあります。 商品のブランド化というのはおそらく、六つのエリアで話をしていかなくてはならないかと思います。 まず第一に、クオリティー(品質)です。どのようなものを製造している企業であれ、まずその製品の哲学が必要です。 また、生産の品質、インダストリアルデザインの質、パッケージングの質、そして設置の品質というものが必要です。 クオリティーというのは、単にあるものを手に持つことができるといったものだけではありません。安定的な形で提供することが必要です。 例えば、遠藤照明にサンプルを見せて下さいと言います。 サンプルを見て非常によかった、非常にきれいだと思った。 それで実際の製品を手にして見てみて、それをテーブルの上に置いていろんな側面から見てみる。 そうすると、いや、これは嫌いだと、これはどうも気に入らないなと、いろんなディテールについて、ナットがどうなっているボルトがどうなっているというようなことを言い始めるわけです。 つまり、ただ単に照明、光の部分だけを見るのではなくて、ダイキャストから仕上げから、あらゆる側面を検討する必要があるということです。 二つ目が、テクノロジー(技術)です。これは、研究、革新(イノベーション)、そしてアプリケーション、そしてそれが実際にマーケットに出すことができるのかということを考える必要があります。 それから、価格設定の問題、これは非常に複雑な問題です。 価格設定の問題は、まずマーケットのコンセプトから始まります。 どのマーケットに参入したいのか、どういった競合他社がいるのか、どういった製品があるのか。 それから、生産、製造のコンセプトが必要です。 そして在庫についてのコンセプト。ここで価格を下げることも可能でしょう。 それから、ビジネスコンセプト。 どのようにマーケットに参入していくのか。 3年で利益を失ってしまうというようなことは容易にあり得るでしょう。 また、デザインをするときもマーケットを理解する必要があります。 我々のクライアントはだれなのか、だれがバイヤーなのか、そして最も重要なことは、だれがエンドユーザーなのかということを知る必要があります。 エンドユーザーが最も重要なわけです。 エンドユーザーがいなければバイヤーはいない。 また、バイヤーがいなければクライアントはいません。また、文化というのは、我々が常にお話しをするような文化だけではなくて、企業の中の文化。 どのようにいろんな情報をそこでシェアしているのか、創造したものを最終的にどうシェアしていくのか、どう学び合うのかというようなことも入ってきます。 そして最終的に、コンセプトです。 非常に革新的なコンセプト、また、ビジネスコンセプト、マーケットのコンセプト、プロダクションのコンセプト、セールスのコンセプト。 これら全部を合わせて、すぐれたブランド化を図ることができる、すぐれたブランドネームを確立することができるわけです。 それから、簡単にエネルギーの節約の点にも触れたいと思います。 エネルギー保護、節約の問題は、我々がよりよい形でエネルギーを生み出す方法が可能になるまでは、エネルギーをいかに節約していくか、長期的に取り組まなければならない問題です。 これは単に一つの世代だけではなく、多くの世代がかかわる問題です。これはすべて、我々の子供たち、またその次の世代にまで、我々が負っている義務でもあります。そして、この義務には二つあります。 これはデザインの問題、ソフトの問題です。 それから、ハードの面としては、法規制の問題です。 ソフトな側面では、照明の必要性についてです。 1945年のIESのハンドブックを見ますと、ある空間では5フートキャンドル(照度の単位で1フートキャンドル:10.7639Lx)が必要だということを述べています。 そして1975年を見ますと、150必要だと書いてあります。 そして現在になりますと、54必要だと書いてあるわけです。 これは何か変わったんでしょうか。 いえ、何も変わっていないんです。 ルールが変わっているんです。 それだけです。54はオーケーだ、150はオーケーだ、そしてその残りの部分は解釈次第だというわけです。 しかし、エネルギーが今問題になっています。 そうなりますと、やはりこれをできる限り抑えていくということが必要です。 抑えることによってすべてが美しくなってきます。 そして、小学生の段階から、本当に基本的な照明とは何か、そしてエネルギーの節約について学ぶということをむしろやる必要があると思います。 専門家だけのトレーニングというのは過ちだと私は思っています。 そして、照明をコントロールしていく、あるいはスイッチをつける。 むしろスイッチをつけるほうがいいのかもしれません。 センサーというのは、つけたからといって、ついたり消えたりはしますが、私たちには何も教えてくれません。 しかし、自分で電気を消すということであれば、自分たちが教育を受けたということになります。学習したということになります。 これは非常に大きな違いです。 それからまた、文化的なプロモーションが必要だと思います。 お互いに今日のこの場のような形で交流をし、国際的に、あるいはまた国内で文化を推進していくという活動が必要です。 結論です。 今日は、光のデザイン、照明デザインというのはいろいろな異なるシステムのコンビネーションだということをお話ししました。 そしてそれは環境のシステム、建築のシステム、そして照明のシステムから成り立っています。 そして、高品質な光環境をつくるということ、生み出すということ、これは単独の行動ではない。 いろんなグループの人たち、いろんな分野の人たち、光源、照明器具、また光のデザインの分野の人たちが集まってその環境をつくり出すのだ、創造するのだというお話をしました。ここで黄色いバッグを持って座っている、これが私です。 そして、非常に早くどんどん前に行ってしまう人たち、その人たちが皆様方です。 人々が欲するような、将来にも値するすぐれた光環境を生み出してください。 グッドラック。 |
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