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Mariotトークセッション

内原:確かにね、本当に当たり前のことじゃないですか。
光があって見えているって。
自分の意思で目を閉じてみるという試みは、なかなかみんなしていなくて、寝るときくらいで。
ただ、自分の意思で目を閉じるっていうことが結構大事かなと、最近思っていて。見ているシーンが一遍途絶えるじゃないですか。でも3〜4秒すると、いま見ていたシーンを頭の中でもう一回再構築しようとしますよね。
これが現実と想像の世界なんだなって。割と単純なことで。

我々はずっと目を開けているから見えていることに価値を追いかけるけれど、どうも我々ライティングデザイナーが言っていることを自分でも繰り返していくと、(合っているかどうかわかんないですよ)現実世界っていうか、目に見えている現実世界だけじゃないものがいっぱいあるんだぞということを、どうもプレゼンしているような気がしてならないんですよ。

そういうことを感じられるようになりましょうとか。住宅でもそうだし。
やっぱり食文化なんかすごく先を行っているなと思うのは、材料が全く同じで光源一緒。
ランプで例えると同じ光源を使っています、同じ材料、食材を使っています。
そこにものすごく味つけの細やかなレシピが、ユーザー一人一人の個性も反映してアレンジメントが成立している。そのための情報が単に得られるようになって、莫大なマーケットにもなっている。
本当に「食」をテーブルに盛りつける、あるいは器に盛りつけるという行為と全く同じフィーリングで「光」が扱われたら、あれくらいの味つけをユーザーが簡単に使いこなすんですね。

これ、何でそこに「光」が行けないかというところを考えると、やっぱり手にとれなきゃいけないかなと思うことがあります。
ところが電線でつながっているから、なかなかとれないじゃないですか。
でも手に持てるようになると、いろんなうんちくを言い出すんじゃないかな。
これはもうちょっとこうじゃなきゃいけないんじゃないかって。

その辺の距離感を縮めることを、今、デザイナーがやっている。
LEDならそんな距離を縮める可能性をもっている。
さっき二番町のプロジェクトの中で、一番人間に近いところがLEDだったじゃないですか。
すごいあれが逆に魅力的だなと思って。本当は、夜、あそこで何か食べるということがあると……


東宮:炎のね、明かりに近いものだったのかもしれないですよね。

内原:でも、あの関係性がまた、すごくコンセプチュアルに見えましたけどね。

東宮:そうですか。周りを、例えば外だから屋上に木があって、そこに吹いた風で揺れる葉陰が階段室に映り込むとか。そういうものをあえて、色温度の低い柔らかい環境を、そういうもののいろいろな集積でつくってあげて。
夜だから、そういう色温度の低い光で、心地よくリラックスしていただいて。
テーブルの部分は、人と人が対峙したときにLEDのちょっと無機質な白い光が対比で、そこで小さな覚せいが発生してもおもしろいかなと思って。


内原:あれ、電球がスタンドについているよりは、何か人間が逆に生っぽくて、光はちょっとハードで。

東宮:そうですね。で、人間とともに背景がぐっと、やっぱり引き立ちました。白熱灯でやるよりも。

内原:なるほど。それは、例えばそういうことっていうのは、建築家とランドスケープと3人で集まって話す機会はあったんですか?プロジェクトの中で。

東宮:ご飯食べながら。

内原:ご飯食べながら。楽しいですね。

東宮:たまたまあの仕事は、実際、図面をかいたりとか現場おさめたりというのはほんのわずかで。
その前に2年とか、その3人の関係.....たまたま3人とも同い年だったので。


内原:そうなんですか。ハセガワさんも同じ年でしたか。

東宮:うん。ジェネレーションってそういうことありますよね。
ジェネレーションが同じだと。
絶対、私、照明がこういうことをやったらランスケとか建築はこう言うだろうなっていうのが、ある程度もうわかった関係性が築かれたときに、それぞれ仕事で図面をかいて提案したので。


内原:かっこいいですね。全部で時間的にはどれくらいかけて?そのブレストみたいなのから始めると。

東宮:3年、4年ですよね。そのくらいかかりますよね。

内原:うん。最初からカリカリカリカリ図面とかじゃなくて。
十分にコミュニケーションとかディスカッションして。
でも、その感じが出てますよね。そういうところがすごく素直ですよね。
やっぱり設計業務って。人柄とか、どんなプロセスを経たとか...


東宮:そうですね。一生懸命、こう、かなり汗かきかきやると、かなり熱い、実際、ライティングができますよね。何かおもしろいですよね。
人が反映するっていうか、光には...


内原:いやいや。そういう話もすごく大事なポイントっていうか。
さっき丸の内で提案をして、ライティングのスペックなんて投光器くらいで、隠し方が大変だったかもしれないけれど。
でも、その二次的に当たるところで相当格闘して。
そのためにいろいろな人間が集まってきて、ちょっとミックスジュースみたいなことになっちゃうのかもしれないけれど、やっぱりそのことがすごく大事だっていうことを少なくともわからせないと、その検討作業も決裁行為も意味がないじゃないですか。


東宮:そうですね。

内原:うん。すごく光っていうのが、とらえどころがないけれども、みんなが大事だよということをちゃんと位置づけることによって、人間関係というか、そういうことができて。すごくいい感じに聞こえましたけれどね。

東宮:建築で黒いミガキの石を壁に使う、柱に使うっていうことが、照明デザイナーとしてはとても大変なことじゃない?
下手したら全部映っちゃう。
黒い石で何を表現したいのかって建築家の気持ちもわかってるじゃない。その黒いミガキの石をどうこの空間の中で位置づけさせたいという、とても重要なポイントっていうことも理解できるじゃない。
だけど、光がそこにあれば、それを全部崩してしまうようなことになりかねない。
こういう形で黒いミガキの石は、こう見せるべきだと思うんですけれど、これでいいんですよねっていう会話から始まることによって、その建築家も自分の考えている空間のことをもう一度考え始めるみたいな瞬間がね。
多分ライティングデザイナーがプロジェクトに入ると……


内原:そうですね。おもしろくなると思うんですけどね。
あんまり、みんな、嫌な顔しないでほしいなっていうかさ。
面倒なことを頼むことは多いんですけれど。楽しくなりますよね。

東宮:ちょっと面倒になるけど... でも....

内原:大事ですよね。もう、建築の機能とかも、今日のテーマなんかもそうだけれど、住むなら住居、食べるならレストランっていうふうに分けて細分化してセパレートに分かれていくようだけど、コンセプトやそこで出てくる価値みたいなことっていうのは全く定まらずというか、常にどちらにも行き交うというか。
インテリアのテイストって素材だったり形態だったりというプロセスがあるかもしれないけれど、光ってそもそもが漂っていくじゃないですか。エリアを分けずに。


東宮:そうですね。

内原:だから、非常に空気的な感覚のものだし、釈然としないんだけれども、その辺をきちっとやるとすごい効果的だし。
今、これからますます、こういうみんなデザインをいろんな形で表現していかなければいけないんだけれど。
そういう抽象的なことも含めて、非常に印象的に物事をつくる、伝えていくということが、いっぱい検証されなければいけなくて。
光がだんだん中心に行きつつありますよね。


東宮:人が交わったときに、人がキャンドルを囲むように、みんながそれぞれ頭の中にある光というテーマでつながれるというか。
光ってそういうもんだと思うんですよね。家族の中でもプロジェクトの中でも。


内原:年末に10×10という企画イベントがありますが、我々がそれぞれ5人、グループがいて。もっとたくさん仲間もいますけれど。年末に東京でイベントをやって、そこでいろんなジャンルの人に光を語ってもらいます。
あれなんか見ていると、本当にどんなジャンルの人が来てもちゃんと光の話ができるっていうか。
しかもそれがものすごく魅力的で、なんか当たり前のものじゃないというか。ふだん当たり前にしているんだけど、話を伺うとカメラマンにとっての光は、映画監督にとっての光は、お茶の先生にとっての光はというのが全部魅力的で、そのくらいドラマになっているというのがうれしかったですよね。


東宮:みんなそれぞれの人が持っている引き出しの中の光の話をしてくれて。すごく刺激的ですよね。

内原:....ですね。まあ、とりとめもない話があれですけれど

東宮:そうですね。もうちょうどいいお時間となりました。

内原:長い時間、ありがとうございました。
まだまだ続けたいんですけれど、この後、下でまたお会いできると思いますので、ぜひお話ができればと思います。

今日はどうもありがとうございました。


東宮:ありがとうございました。




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