| HOME>トークセッション>MARIOT EVENT vol.17 SENDAI P.1/2/3/4/5/6 |
| 内原:今日はようこそお越しくださいました。 東宮さんとはふだんからもいろいろなところでご一緒させていただいたり、ご存じかどうかわからないんですけれども、我々はライティングデザイナーで、円卓会議・照明楽会という活動をしていたりして、いつも仲よくさせていただいているので、今日はあまりピリッと緊張しないところもあるかもしれませんが、楽しくいきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 ![]() 東宮:よろしくお願いします。 内原:ちょっとテーマ、難しいですよね。 東宮:そうですね。「医、食、住と光」。 内原:何で最初の医が医療の医 なんだっていうところが、難しいですよね。 東宮:でも、大きな意味で、医、食、住、人とか暮らしとか、そういう形で光との関係を、ライティングデザイナーとしてお話しできればと思ってますので、よろしくお願いいたします。 内原:お聞きいただいている皆さんの想像力に、ちょっと期待したいと思います。 最初はお互いのプロジェクトの紹介をやって、そこから何となくお互いに聞きたいこととか、少しテーマに沿うような感じで話を進めていければと思っています。では、東宮さんのほうからお願いします。 東宮:はい、わかりました。 今日は本当にお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。 東宮洋美って何をしているやつなんだということで、ちょっと最初に仕事のお話をさせていただきたいと思います。 二番町ガーデンと出てきましたけれども、これは東京・千代田区の二番町というところのオフィスビルの10階に位置しています社員食堂のフロアにこういう屋上庭園ができまして、そこのライティングのお仕事をしたときの様子をムービーをまとめたものです。 時間の経過とともに、空の青さと光の見え方がどう変化していくのかということをテーマにしてまとめています。 ご覧いただくように、10階の高さというと、この周辺は皆同じような建物の高さを持っています。屋上に、10階に立っても、その周辺の建物の屋上階が見えているわけなんですが、建築家の方が特にポイントにされた、この外周の手すりをガラスで囲んで、屋上を囲んで、そこに昼間も夜も光が、自然光や人工の光が当たる。 このガラスの面に光を受けて、ちょうど夜というのは、空が青くて地平線に近いところが黄緑色の見え方になるはずなんですが、それをこのガラスがうまく吸収して、ある一つの景観、夜の夕景をつくっていく。昼は昼で、またこのガラスの位置づけというのはとても重要なんですが、あまり広くない屋上庭園が、ある囲われた一定の雰囲気をつくっているというようなところが、光と建築では一番ポイントになっています。 なかなか実際見ていただかないで、こういうもので雰囲気を感じ取っていただくのは難しいと思うんですけれども、少しずつ、同じ施設ですがディテールに入ってご説明したいと思います。 この屋上庭園はあるテーマを持っています。 テラスサイドとツリーサイドという二つのエリアに分かれています。 これはテラスサイドの部分のムービーになります。 何がテラスサイドなのかといいますと、日中、仕事、会議室とかでそれぞれ部署の方々がお話をしているわけですけれども、外の空気を吸いながら、外に出てまた会議をしたり、もしくは仕事の中でもリフレッシュをするためのエリアとしてこのテラスサイドがあります。 屋上で、防水のこととかいろいろありますが、植栽を高さ700の盛り土にして、その植栽で囲われた部分にテーブルといすがある、もしくはベンチがあるという形になっています。 ここはその企業の社員さん専用のエリアになりますけれども、風を感じて昼も夕方もここで仕事なりミーティングなりをしていただく。何人かで、もしくは1人で何かを考えていただくというような部分がテラスサイドになっています。 ここは建築で、周辺のガラスとともにベンチの後ろ側、それからテーブルの後ろ側に同じようにガラスがありまして、そこに間接照明で光を入れています。 これはですね、ベンチ側、もしくはテーブル側の反対側にマットの加工をしたアクリルを使っています。 そうすることによって、ベンチに座っている方がそのアクリルに映り込む。もしくはテーブルのランプがそのアクリルに映り込む。その後ろ側の、マットにした部分の光がより拡散して広い面に光が広がるような形になっています。 テーブルには一つ一つLEDのスタンドがあります。 LEDで明るさも十分ですし、なおかつ光の色温度として、周辺は色温度の低い、穏やかな光を使いつつ、テーブルについては覚醒する色温度の高い、人間と光の関係でそういう部分を強調するために色温度の違う光源を使っています。 周辺の自然の明るさに対して人が利用するスペースについては、人と明かりの色温度の関係をポイントにして使っています。 穏やかに十分な明るさというのを、周辺の夕景に合わせながらつくっていくというような形を考えました。 内原:テーブルの色っていうのは1色なんですか。ブルーに見えているのは写真のせいですか?空が映っていて、すごいかっこよかったです。 ![]() 東宮:写真だと色温度の違いがはっきり見えてしまいますね。 内原:実際にテーブルの素材は、メタルなんですか? 東宮:パネルです。つるっとはしていないですね。 内原:なるほどね。手すりの一定のレベルで夜に見えてくるのは、外部の光でボーッと光っているんですか? 東宮:周辺ですよね? 中の光を受けています。 内原:街の灯もはらんでますよね。 東宮:街の灯もはらんでます。 けれども、中の光が映っているんですね ...というのは、中で人が動くと、微妙につるっとしたアクリルの面にその人が映るんですよね。 つまり、中の光を受けとめているということだと思うんですけれども。 内原:高さが絶妙です。昼もちょうど良く・・・ 東宮:建築とかそういう方の、やっぱりプロフェッショナルですよね。 私たちが光源を選ぶように、やっぱりそういう空間を構成するためのいろいろなものというのは、やっぱりすごいなと思いました。 ![]() これは別の物件ですが、東京駅の目の前に丸の内北口ビルディングというオフィスビルがありまして..丸の内オアゾという複合の中のオフィスビルになります。 そのオフィスビルの照明を行ったんですけれども、このときはリフレクションということで、光を反射するということをテーマに、この1階の風除室のライティングを考えたことを少しお話ししたいと思います。 シリンダー状の風除室なんですけれども、天井高が7メートル・直径が7メートル。 そこにどう光を落としていくか...天井に照明をつけるのはやめよう、光源をつけるのはやめようということで考えたものです。 ある高さから天井にリフレクターに光を当て、そして目的の床に光を落としていこうというものです。 これは実際の竣工写真です。これが天井の意匠です。 光源を持たずに…… やはり東京駅の目の前の東京駅側にエントランスがある、開かれたビルをつくるライティングデザイナーとして、シャンデリアじゃないですけれど、何かこう、光の意匠をどこかに表現したかったんですね。 でも、シャンデリアをつけるわけにはいかないので、光のみを受けとめる天井面をデザインすることによって、何かここにポイントになるような光の意匠をつくりたかった。 これがCGで提案したときのものでして、これが実際のものです。 こういうリフレクションの反射を考えてますというのを、お仕事の中でご説明するのがなかなか難しくて、少しずつ、いろいろな方法でプレゼンテーションを行っているわけです。 これもいろいろありまして、A案、B案、C案、D案、Dダッシュ案みたいなところがあります。 ライティングデザイナーが建築とかインテリアデザインに近くなる部分、天井デザインしようなんていうことを考えると、そのことをご説明する方もたくさんふえて、いろいろご意見もいただいてということがあったのが、Dダッシュ案で決着がついたということだと思うんですが...でも、このプロジェクトの中で注意をしたのは……やはりオフィスビルのパブリックのスペースのライティングデザインをするときにも、照明のことを反射・拡散・透過と、その三つに絞ってアイデアを出していくと限りなく方法論があった。 それも説明しやすい方法論が幾つか見つかったということは、そういう意味では自分たちでも勉強にもなってとてもいい経験だったなというふうに思います。 そんな感じで、お仕事してます。 ![]() 内原:普通の光源と照明器具を選定するだけではなくて、天井まで着手しちゃったから、いろいろな人を引き込んで、労力も手間もかかったけれども、結果的には非常にいい。 むしろライティングデザイナーが、そういうふうにいろんなところを引き込んでいくというのは大事なことですよね。 東宮:ええ、そう思います。 当然、照明、光というのは光だけで存在しないわけで、その空間、そのプロジェクトにかかわる方すべてが何かしら頭の中にイメージがあるものだと思うんですよね。 ライティングデザイナーがその仕事に入ることによって、そういうことが明確になると。それぞれの担当の方が再認識するということも、ライティングデザイナーがプロジェクトに入る意義でもあると思うんですよね。 内原:ちなみにまた細かいなことを言っちゃうんですけれど、あのパネルはその他の天井と同じ素材を使った? 東宮:ほぼ同じですね。 内原:システム天井が、ちょっとパラパラと動いている感じがするのがポイントですよね。 東宮:そうですね。素材としては同じです。 あと少しご覧いただきたいのですが、ちょっといいですか? 内原:どうぞ。 |